【茨城県44市町村】創業・起業のための地域データガイド 完全一覧|人口・産業・支援制度で比較
同じ物差しで比べる。
人口・産業構造・法人税割・支援制度を統一フォーマットで整理した「創業データガイド」全44本の総合インデックス。創業を考えている地域や、比較したい条件から候補を選べます。
茨城県で創業・起業する場合、同じ県内でも人口の動き、商圏の規模、産業構造、税率、支援制度は市町村ごとに異なります。つくば税理士事務所では、県内44市町村すべてについて、人口・産業構造・創業支援制度などを統一フォーマットで整理した「創業データガイド」シリーズを公開しています。
本ページは、その44本へ進むための総合インデックスです。創業を考えている地域や比較したい条件から候補を選び、各市町村の個別記事をご覧ください。各ガイドは、税理士が自治体や公的機関の一次データを確認し、創業予定者の視点でまとめています。
このガイドの使い方
「広く探す → 指標で絞る → 自治体へ確認する」の順で使うと、候補地の比較がぶれません。
エリアから選ぶ
県央・県南・県西・県北・鹿行の5エリアに分けて、市町村を探せます。まず通勤圏や出店可能な範囲を決め、「2. エリア別 全44市町村ガイド一覧」から個別記事へ進んでください。隣接する市町村の記事も読むと、行政区域と実際の商圏が同じとは限らないことを踏まえて比較できます。
人口動態から選ぶ
人口増加地域では新しい住宅地や生活関連需要を検討しやすい一方、人口減少地域では既存事業者の撤退や事業承継によって供給が不足している分野が見つかることがあります。増減率だけで有利・不利を決めず、人口の実数、世帯数、年齢構成を個別記事で組み合わせて見てください。
指標で横断比較する
法人市民税・法人町民税の法人税割、昼夜間人口比率、高齢化率、年間商品販売額などを比べる使い方です。税率は手元資金、昼夜間人口は来店客や採用、高齢化率は商品・サービスの客層に関係します。候補地を数か所に絞ったうえで、各記事の同じ項目を横に並べると、条件の違いを確認しやすくなります。
一つの数字だけで創業地を決めるのではなく、最初に広く候補を探し、次に事業モデルと相性のよい指標で絞り込み、最後に自治体へ最新制度を確認する、という順序でご活用ください。
1. 茨城県の創業環境を
数字で俯瞰する
県全体は人口減少。ただし5エリアに分けると、増減の方向も速度も同じではありません。
茨城県全体の人口は2,791,207人で、令和2年から75,802人減少し、増減率は-2.6%でした。世帯数は1,221,422世帯、1世帯当たりの人員は2.29人です。県全体では人口減少が続いていますが、5エリアに分けると増減の方向や速度には差があり、創業者が想定すべき市場環境も一様ではありません。
出典:令和7年国勢調査 人口速報集計(2026年5月29日公表・茨城県統計課)/基準日:令和7年10月1日
エリア別集計
人口が増えているのは県南だけ。県北は-9.2%で、5エリア中もっとも減少しています。
バーの長さは人口を県南(最大)=100%として表示。世帯数は県北141,555/県央306,261/県南452,584/県西208,183/鹿行112,839。増減数は県北-32,132/県央-20,563/県南+12,700/県西-22,688/鹿行-13,119。
5エリアの読み方
エリア平均を、そのまま各市町村に当てはめないことが大切です。
唯一人口が増えているエリア(+1.3%)
人口1,019,231人、増減率+1.3%で、5エリアのうち唯一人口が増えています。人口が増えた自治体は、つくば市(+11.3%)、つくばみらい市(+4.4%)、守谷市(+2.6%)、阿見町(+2.3%)の4市町のみで、いずれもつくばエクスプレス沿線または圏央道インターチェンジ周辺に位置します。新興住宅地で生活関連サービスを考える場合には需要の広がりを検討できる一方、人口が増えている地域ほど出店競争や人件費、賃料なども個別に確認する必要があります。また、同じ県南でも人口が減っている自治体があるため、エリア平均をそのまま各市町村に当てはめないことが重要です。
水戸市を中心とする県庁所在地エリア(-2.9%)
人口685,352人、増減率-2.9%で、水戸市を中心とする県庁所在地エリアです。行政機能や既存商圏を背景に、消費者向け事業だけでなく、企業・団体を顧客とする事業も検討の対象になります。特に水戸市は年間商品販売額が大きく、周辺自治体からの来訪や取引を含めて商圏を考える視点が欠かせません。ただし、水戸市と周辺の町村では市場規模や人口動態が異なるため、店舗型か訪問型か、地域密着型か広域対応型かによって候補地を分けて考える必要があります。
日立市を中心とする工業エリア(-9.2%)
人口315,481人、増減率-9.2%で、5エリアの中で人口減少率が最も大きい地域です。日立市を中心とする工業エリアであり、居住人口を顧客とする事業だけでなく、地域の企業や働く人を対象としたサービス、既存事業の承継も検討材料になります。市場が縮小する可能性を前提に、固定費を抑え、必要な売上高と商圏を現実的に見積もることが重要です。人口減少率だけで候補から外すのではなく、個別記事の産業構造や企業、支援制度を確認すると、地域特有の需要を探しやすくなります。
県境をまたぐ商圏を持つエリア(-4.2%)
人口516,116人、増減率-4.2%で、5エリア中2番目に人口減少率が大きい地域です。古河市や筑西市など埼玉県・栃木県との県境に近い自治体を含むため、茨城県内だけで商圏を区切らず、県外の顧客、取引先、通勤動線まで含めて立地を考える余地があります。地域人口が減っていても、道路沿い、県境をまたぐ移動、既存企業との取引によって見込める需要は変わります。個別記事を読む際は、人口とあわせて昼夜間人口比率や産業構造を確認し、自社が狙う商圏の範囲を先に定めると比較しやすくなります。
鹿島臨海工業地帯を含むエリア(-4.9%)
人口255,027人、増減率-4.9%で、神栖市・鹿嶋市など鹿島臨海工業地帯を含むエリアです。一般消費者向けの市場だけを見るのではなく、工業集積に関係する企業間取引、働く人向けのサービス、移動を前提とした事業など、地域の産業との接点を考える必要があります。同じ鹿行でも自治体ごとに人口や商圏の規模は異なるため、事業所向けと住民向けのどちらを主な顧客にするのかを明確にして、個別記事のデータを読み分けてください。
商圏規模は自治体で大きく異なる
年間商品販売額は、水戸市と大洗町で約98倍の開きがあります。
年間商品販売額(令和2年・経済センサス)
年間商品販売額(令和2年・経済センサス)は、水戸市の1兆5,687億円が突出し、つくば市5,907億円、土浦市5,087億円が続きます。一方、大洗町は160億円であり、自治体によって商圏規模は大きく異なります。県内順位が高いか低いかだけで判断せず、予定する事業の必要売上高や客単価と照らし合わせ、個別記事に掲載した実数を見ることが大切です。販売額が大きい地域でも競合が多い場合があり、小さい地域でも特定分野の供給が不足している可能性があるためです。
法人市民税・法人町民税の法人税割
同じ茨城県内でも、自治体によって最大2.4ポイントの差があります。
法人市民税・法人町民税の法人税割は、自治体によって6.0%から8.4%まで差があります。つくば市・日立市のように資本金額によって税率が変わる市もあります。税率差は創業後の税負担に関係するため、候補エリアを絞り込んだら、個別記事の法人市民税・法人町民税の欄を必ず確認してください。実際の負担額は法人の状況によって異なるため、所在地だけでなく、法人形態や事業計画とあわせて検討する必要があります。
人口が増えているのは県南エリアの一部だけで、県内40市町村は人口減少局面にあります。ただし人口減少=創業に不利とは限りません。詳しくは本ページ後半「4. 人口減少エリアでも創業チャンスがある理由」で解説します。
2. エリア別 全44市町村ガイド一覧
エリアを選ぶと、その市町村の個別ガイドが表示されます。各エリア内は人口が多い順です。
県南(14市町村)
県南は、つくばエクスプレス沿線を中心に県内で唯一人口が増えているエリアです。TX沿線の新興住宅地と、土浦市・龍ケ崎市などの既存商圏が混在しているため、エリア全体の増加率だけでなく市町村ごとの差を確認してください。
県央(9市町村)
県央は、水戸市を中心とする県庁所在地エリアです。年間商品販売額では水戸市が県内で突出していますが、周辺市町村とは人口動態や市場規模が異なるため、広域商圏と地域内需要の両方を見てください。
県西(10市町村)
県西は、古河市・筑西市など、埼玉県や栃木県との県境に近い自治体を含むエリアです。人口減少率は5エリア中2番目に大きい-4.2%ですが、県境をまたぐ顧客や取引の可能性も含めて商圏を考える必要があります。
県北(6市町村)
県北は、日立市を中心とする工業エリアです。人口減少率は5エリアで最も大きい-9.2%であるため、居住人口だけでなく、地域産業との取引や事業承継の可能性、固定費を含む収支計画を確認してください。
鹿行(5市町村)
鹿行は、神栖市・鹿嶋市など鹿島臨海工業地帯を含むエリアです。人口減少率は-4.9%で、住民向け需要に加えて、企業間取引や地域で働く人を対象とするサービスとの相性も検討材料になります。
一覧から候補を選ぶときは、人口が最も多い自治体をそのまま選ぶのではなく、まず事業の提供方法を整理してください。来店を待つ店舗型、顧客先へ出向く訪問型、インターネットを通じて広域対応する事業では、所在地に求める条件が異なります。店舗型なら人口の実数と増減率に加えて昼間の人の動きや客層を、訪問型なら周辺自治体への移動と営業範囲を、広域対応型なら採用や取引先との接点を重視する、といった読み分けが必要です。
次に、候補自治体と隣接自治体の個別ガイドを同じ項目で比べます。人口が近くても、産業構造、年間商品販売額、法人税割、支援制度、許認可の窓口は同じとは限りません。所在地は一つの自治体でも、顧客や従業員は行政区域を越えて移動するため、比較範囲を最初から狭めすぎないことが大切です。表で候補を拾い、個別記事で条件を確認し、最後に現地の動線や競合を確かめることで、統計と実際の事業計画を結び付けやすくなります。
3. 目的別の選び方
― 4つの視点で比較する
候補地ごとに「同じ項目」を確認する。条件のよい数字だけを集めないことが大切です。
4つの視点を比べる前に、想定顧客、提供方法、必要な人員、許認可の有無を短く書き出しておくと、数字の意味を自社の計画に置き換えやすくなります。たとえば、同じ人口増加でも、子育て世帯を対象とする生活サービスと企業向けの専門サービスでは、重視するデータは異なります。また、条件のよい数字だけを集めるのではなく、候補地ごとに同じ項目を確認することが大切です。各個別記事は共通する構成で整理しているため、候補自治体の記事を並べ、強み、注意点、追加確認が必要な事項を同じ基準で記録してください。そのうえで、数字では判断できない物件、交通、競合、取引先との距離を現地確認で補います。
人口動態で選ぶ ― 伸びる市場か、縮む市場か
人口と人口増減率は、地域市場の現在の大きさと変化の方向をつかむ入口ですが、増加地域なら必ず売れ、減少地域なら売れないという指標ではありません。人口が増える地域では新しい世帯の生活需要と競合の参入状況を、減る地域では年齢構成の変化、既存サービスの不足、周辺自治体まで含めた商圏を考える必要があります。最初に本ページの人口と増減率で候補を比べたうえで、個別記事の「人口動態・世帯」「年齢構成」などの項目を確認し、自社の想定顧客が地域の変化と合っているかを検討してください。
人口増加は需要拡大の手掛かりになりますが、競争が強まる可能性もあります。増減率と人口の実数、世帯、客層を一組の情報として比較してください。
税負担で選ぶ ― 法人税割は自治体で最大2.4ポイント違う
法人市民税・法人町民税の法人税割は自治体により6.0%から8.4%まで開きがあり、最大2.4ポイントの違いは創業後の税負担を比較する材料になります。ただし、つくば市・日立市のように資本金額で税率が変わる場合があり、表面上の税率だけで所在地を決めると、自社に適用される条件や事業上の利便性を見落としかねません。候補地が決まったら、各個別記事の「法人市民税・法人町民税」の項目を確認し、最新税率と適用区分を自治体へ照会したうえで、賃料、交通、採用など他の固定条件と合わせて判断してください。
税率の低さだけでなく、自社に適用される区分と事業全体のコストを確認することが大切です。候補自治体ごとに同じ条件で試算してください。
昼夜間人口比率で選ぶ ― 「住んでいる人」だけが客ではない
居住人口は夜間人口を基礎とするため、通勤・通学によって昼間に人が流入する地域では、実際の来店客やサービス利用者の規模を十分に表さないことがあります。反対に、昼間に地域外へ出る人が多い場所では、人口の実数が大きくても、平日昼間の店舗需要や採用可能性を別に考える必要があります。飲食・小売・生活サービスなど時間帯の影響を受ける事業では、個別記事の「昼夜間人口比率」を確認し、顧客が利用する曜日・時間帯、事業所立地、周辺からの移動と組み合わせて商圏を描いてください。
昼夜間人口比率が100を超える市町村は、通勤・通学による昼間人口の流入が見込めるため、店舗型ビジネスでは有利に働くことがあります。
高齢化率・保健所の管轄で選ぶ ― 客層と許認可窓口
高齢化率は、地域で暮らす人の年齢構成を把握し、商品設計、価格、移動手段、情報発信の方法を考える手掛かりになりますが、高い地域を単純に避けるのではなく、高齢者本人、その家族、地域事業者のどこに需要があるかを具体化することが重要です。また、飲食、食品、理美容など許認可や届出が関係する事業では、自治体名と実際の相談窓口が同じとは限らないため、準備段階で管轄を押さえる必要があります。個別記事の「年齢構成・高齢化率」と「保健所・許認可窓口」の項目を確認し、顧客像と開業手続の両面から候補地を比較してください。
客層に合う地域でも、必要な許認可の確認が遅れると開業日程に影響します。候補地を絞る段階で管轄窓口と相談時期を確認してください。
4. 人口減少エリアでも
創業チャンスがある理由
事業の成否に効くのは、人口の増減だけではありません。
守谷市・阿見町
創業に不利とは限りません
茨城県では、人口が増えたのは県南の4市町だけで、それ以外の40市町村は人口減少局面にあります。この数字を見ると、人口が減る地域での創業は一律に不利だと感じるかもしれません。しかし、事業の成否に関係するのは人口の増減だけではなく、誰のどの課題を解決するのか、必要な顧客数を確保できるか、無理のない費用構造をつくれるかです。人口減少を楽観視することはできませんが、地域の変化を具体的に捉えれば、検討できる事業機会もあります。
競合が少ない理由と、地域に残る需要を確かめる
一つは、競争店舗が少ない、または既存のサービスが届きにくくなっている可能性です。人口が減る地域では店舗や事業者も減少し、住民や企業が地域外まで商品・サービスを求めている場合があります。そこで必要なのは、「競合が少ないから売れる」という推測ではなく、競合が少ない理由と、地域に残る需要を確かめることです。個別記事の人口、産業構造、主要企業などを手掛かりにしつつ、予定地周辺の顧客候補や既存事業者を自分でも確認してください。
固定費を抑え、損益分岐点を下げる
家賃などの固定費を相対的に抑えやすい物件が見つかれば、損益分岐点を低くする方向に働くこともあります。必要売上高が小さくなれば、大規模商圏を前提としない事業設計がしやすくなります。ただし、安い物件でも顧客の移動動線から外れていたり、採用や物流に追加費用が生じたりすれば、総費用は下がりません。賃料だけで比較せず、改装、交通、配送、採用、広告など、開業後まで含めた費用を見積もることが重要です。
創業支援制度・補助金・融資を確認する
自治体によっては、創業支援制度、補助金、融資、相談窓口が用意されています。人口減少や地域課題への対応を目的とした制度が、自社の事業計画と合うケースも考えられます。制度には対象者、対象経費、申請期間、事前相談などの条件があり、採択や交付を前提に資金計画を組むべきではありません。まず各市町村の個別記事にある「創業支援制度・補助金・融資」の項目を確認し、利用を検討するときは必ず自治体や実施機関に最新情報を問い合わせてください。
事業承継・M&Aという選択肢
もう一つの選択肢は、ゼロから店舗や顧客をつくる創業だけでなく、後継者不在の事業を引き継ぐ事業承継・M&Aです。既存事業には顧客、取引先、設備、従業員、地域での信用が蓄積されている可能性があり、それらを引き継げれば開業方法は変わります。一方で、財務、契約、設備、雇用、簿外債務など確認すべき事項があるため、価格や売上だけで判断せず、専門家を交えた調査と引継ぎ計画が必要です。
資金繰り計画を分けて準備する
人口減少地域では、市場が縮小する場合を見込んだ資金繰り計画が特に重要です。売上が計画を下回る期間、入金と支払いのずれ、季節変動、追加投資に耐えられる運転資金を考え、複数の売上シナリオを準備してください。利益が出ていても入金前に支払いが先行すれば資金は不足するため、損益計画と資金繰り表は分けて確認します。人口減少は自動的な不利でも、創業を正当化する材料でもありません。地域の課題と自社の強みが結び付くかを検証し、固定費、支援制度、承継可能性、資金繰りまで準備して判断することが大切です。
5. エリアを決めたら次に読みたい記事
読む順番は一律ではありません。不確実性が大きいテーマから確認してください。
候補エリアを選んだ後は、立地データを実際の開業準備に落とし込みます。地域の人口や産業に合う事業でも、顧客に見つけてもらう仕組み、必要資金、既存事業を引き継ぐ場合の確認、開業後の資金管理が整っていなければ継続は難しくなります。次のテーマを事業計画と照らし合わせ、準備の抜けを確認してください。読む順番は一律ではありません。新規開業なら集客と融資、既存事業の引継ぎならM&Aと資金繰りを優先するなど、自社の開業方法と不確実性が大きい項目から確認すると、必要な準備を具体化しやすくなります。
まとめてご相談ください。
創業予定地の比較、法人形態の検討、創業融資、開業後の資金繰りまで、つくば税理士事務所がデータをもとにご一緒に整理します。
データ出典
- 茨城県「令和7年国勢調査 人口速報集計」(2026年5月29日公表)
- 茨城県「市町村のデータ」
- 各市町村の詳細データ・出典は、リンク先の個別記事「データ出典」欄を参照してください。
本記事の数値は上記出典時点のものです。税率、補助金、融資、支援制度、許認可窓口などは変更される場合があるため、利用・申請・届出の前に、各自治体および関係機関へ最新情報を必ずご確認ください。

