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【五霞町】創業・起業のための地域データガイド

佐藤

五霞町は、令和7年10月1日現在の人口規模で茨城県内下から2番目の町です。しかし、圏央道五霞ICと新4号国道、埼玉・千葉との県境、製造・物流拠点が重なるため、昼間には居住人口を大きく上回る人が集まります。町民7,502人(同日現在)だけを商圏にせず、工場従業者、通過客、周辺3県の事業者まで顧客像を広げることが、五霞町での小さな創業を考える出発点です。

この記事でわかること

  • 五霞町の人口規模と、令和2年国勢調査で県内1位の昼夜間人口比が示す商機
  • 五霞IC、工業エリア、原宿台、農村部で異なる顧客
  • 製造・物流集積を取引先に変える考え方
  • 令和8年度に使える創業支援、融資、税率、手続き窓口

1. 五霞町の基本プロフィール

項目 データ
人口 7,502人(令和7年10月1日現在、県内43位)
世帯数 2,964世帯(令和7年10月1日現在)
令和2年比 591人減、7.3%減(令和7年10月1日現在)
1世帯当たり人員 2.53人(令和7年10月1日現在)
面積 23.11km²(令和8年1月1日現在)
地域 県西、茨城県西南端

人口は令和7年10月1日現在、県内最少ではなく河内町に次ぐ43位です。同日現在、県全体の人口減少率2.6%に対し五霞町は7.3%減で、住民向け需要の縮小は軽視できません。一方、東は千葉県、南西は埼玉県、北東は古河市・境町に接する「関東3県が介する」立地です。圏央道五霞IC―境古河IC間6.9kmは令和8年7月24日に4車線運用となりました。

創業時の目線:町の小ささは市場の小ささと同義ではありません。「誰が道路を使い、誰が町内で働くか」まで含めて商圏を描きます。

2. 人口データで読む五霞町

令和7年10月1日現在の年齢構成は、15歳未満7.7%、15~64歳54.2%、65歳以上38.0%です。3区分の合計99.9%は丸め差です。令和7年中は出生23人、死亡158人で自然減135人、転入273人、転出301人で社会減28人でした。

ここで重要なのが、令和2年10月1日現在の昼間人口12,145人、夜間人口8,093人、昼夜間人口比150.1です。この比率は茨城県内市町村1位で、製造・物流拠点への通勤流入が町の顔を変えています。また、令和7年12月31日現在の外国人住民は406人で、令和7年国勢調査速報人口に対する単純比較では約5.4%相当です。

創業時の目線:高齢者向け生活支援と、工場従業者向けの食事・移動・多言語対応は顧客も利用時間も異なります。最初から別市場として検証しましょう。

3. エリア別の特徴 ― どこで開業するかで別のビジネスになる

エリア 特徴と事業仮説
五霞IC・ごかみらい 圏央道、新4号国道、道の駅ごかが集積。テイクアウト、地域産品、車利用者向けサービス
元栗橋・川妻など 工場・倉庫が集積。弁当、清掃、設備保全、梱包、採用支援など企業間取引
原宿台 2,328人・1,179世帯で町最大の住宅集積(令和8年7月1日現在)。訪問型生活支援、健康・介護予防
農地・河川沿い 田畑が町面積の41.3%(令和6年1月1日現在)。米や八つ頭の商品化、体験型事業

町公式案内の最寄り駅は、町外の東武日光線南栗橋駅などです。店舗型なら駐車場、配達範囲、従業者の交替時間を現地で確かめる必要があります。令和6年1~12月の町全体の観光入込客数は62万9,000人ですが、道の駅単体の来訪者数ではない点にも注意してください。

創業時の目線:住宅地の徒歩需要と、IC周辺の車需要を同じ店舗で狙うと焦点がぼやけます。候補地ごとに平日朝・昼・夜、休日の交通を観察します。

4. 産業構造 ― この街のお金はどこから来るのか

令和2年10月1日現在の就業者構成は第1次産業6.58%、第2次38.96%、第3次54.46%で、合計100.00%です。令和3年経済センサスでは、事業所数の上位が建設業100、製造業81、卸売・小売業62、運輸・郵便業46。従業者数は製造業5,112人、運輸・郵便業855人と、製造業が突出します。

年間商品販売額は242億円(令和2年)、製造品出荷額等は2,585億円(令和5年)です。基準年と概念が異なるため単純比較はできませんが、工業の厚みは明確です。農業では米や伝統野菜の八つ頭が地域資源で、令和8年度には特産品開発支援も始まりました。

創業時の目線:完成品メーカーと競うより、工場が繰り返し外注する清掃、保全、印刷、梱包、人材定着を小さく受託する方が参入しやすい市場です。

5. 五霞町を代表する企業 ― 取引先候補として

登記上の本店または企業公式の本社所在地を五霞町で確認できた企業です。

企業 本店・本社/事業
日本シーマ株式会社 元栗橋。接着剤・洗浄剤等の化学製品
サリックスマーチャンダイズシステムズ 元栗橋。食肉等の仕入・加工・販売、従業員244人(令和8年3月24日取得情報)
共同印刷メディアプロダクト株式会社 元栗橋。印刷・製本・加工・梱包、207人(令和7年9月1日現在)
株式会社五霞建設 冬木。総合建設・地盤改良

キユーピー五霞工場、ヤクルト本社茨城工場、加藤製作所茨城工場は稼働を確認できますが、本社は町外なので「進出企業」です。令和8年6月4日の町内高校向け説明会には五霞工業クラブ加盟18社が参加しました。

創業時の目線:企業名を並べて終わらせず、「現在の外注先で解決できない小さな困り事」を商工会や工業クラブ経由で聞くことが営業の第一歩です。

6. 創業支援制度とお金の話

制度 主な内容(令和8年8月10日確認)
特定創業支援等事業 五霞町商工会の創業塾等を修了し町の証明を取得すると、登録免許税軽減や融資面の拡充。証明無料、即日発行不可
地域特産品開発支援 対象経費の3分の2以内、上限50万円。町内原料の商品化、町内製造・加工品等が対象。飲食店で提供する料理は対象外
茨城県創業支援融資 上限3,500万円、年1.5~1.8%。設備10年以内、運転・併用7年以内。審査あり
町中小企業事業資金 振興金融2,000万円、自治金融1,000万円が旧例規上の上限。保証料41%補助。町内6か月以上の要件等があり創業直後は要確認

町の一般的な店舗改装・家賃を対象にした令和8年度創業補助金は確認できませんでした。法人町民税の法人税割は、令和元年10月1日以後開始事業年度で8.4%。水戸市と同率で、牛久市の6.0%より2.4ポイント高い税率です。均等割の最低額は年6万円です。

創業時の目線:五霞町では「創業一般」より「地域産品」「企業取引」に制度と市場の接点があります。補助対象に合わせるのではなく、採算を固めてから利用可否を確認します。

7. 開業手続きの窓口

用件 窓口
創業相談・証明 五霞町産業課 0280-84-2582/五霞町商工会 0280-84-0777
法人町民税・固定資産税 五霞町町民税務課課税係 0280-84-1966
開業届・国税 古河税務署(古河市北町5-2、猿島郡を管轄)
個人事業税・法人県税 筑西県税事務所境支所(境町長井戸320)
飲食・食品営業 古河保健所(古河市北町6-22)

飲食・食品製造は物件契約や工事の前に保健所へ図面を持参し、必要な許可・届出を確認します。業種により建設、運送、農地利用など別の許認可も必要です。

創業時の目線:県境を越えて営業しても、申告・許認可の管轄は事業所所在地と業種で決まります。候補地決定前に窓口を一巡すると手戻りを減らせます。

8. 五霞町で創業するときのチャンスとリスク

最大のチャンスは、令和7年10月1日現在の人口7,502人に対し、令和2年10月1日現在の昼間人口が12,145人ある「人口と需要のずれ」です。五霞IC周辺では第2期産業用地約69haの整備が令和8年度に進行中で、既存企業向けの小口BtoB、道の駅と農産物を結ぶ商品、外国人従業者を含む働く人向けサービスに余地があります。

リスクは、住民市場の縮小、最寄り駅が町外となる車依存、工場への売上集中、四方を河川に囲まれた水害リスクです。開発予定を完成済みの商圏とみなさず、1社依存を避け、ハザードマップと避難・在庫計画まで確認してください。

創業時の目線:五霞町向きなのは、大量の町民客を待つ商売ではなく、県境と産業集積で生じる狭い課題を確実に解く商売です。まず3社・30人への聞き取りで有料需要を確かめます。

データ出典

免責:制度・補助金・融資条件・税率・許認可は変更されることがあるため、申請や契約の前に必ず各窓口で最新情報をご確認ください。本記事は令和8年8月10日時点で確認できた公的資料を基にしています。統計の基準時点は項目ごとに異なります。

ABOUT ME
佐藤
佐藤
税理士・公認会計士
東京都立大学(旧・首都大学東京)を卒業後、KPMGあずさ監査法人に入所。銀行・証券会社をはじめとする日系金融機関を中心に、監査業務に従事してまいりました。その後、茨城県つくば市にて税理士事務所を開設し、現在に至ります。
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