【笠間市】創業・起業のための地域データガイド|人口・産業・支援制度でわかるビジネス環境
茨城県笠間市は、笠間焼の窯元・陶芸家が約300人集まる、全国でも珍しい「陶芸の産業クラスター」を持つ街です。2006年に笠間市・友部町・岩間町が合併して生まれた現在の市域には、笠間稲荷神社の門前町、JR2路線が分岐する交通結節点、そして栗の一大産地という、性格の異なる3つの顔があります。人口7万人強という小さな市場規模を、年間300万人を超える観光客がどれだけ補っているのか。人口・産業・支援制度のデータから、創業予定者の視点で整理しました。
この記事でわかること
- 笠間市の人口規模・年齢構成と、そこから読み取れる客層
- 笠間・友部・岩間、性格の異なる3地区で商圏がどう変わるか
- 笠間焼という全国でも珍しい産業クラスターの規模と、市が用意する陶芸家向け創業支援
- 年間観光入込客数313万人という「住民以外の客」の大きさ
- 創業時に使える補助金・融資・相談窓口の具体的な金額と窓口
1. 笠間市の基本プロフィール
| 項目 | データ | 基準時点 |
|---|---|---|
| 人口 | 71,510人(県内12位) | 令和7年国勢調査 速報値 |
| 世帯数 | 30,356世帯 | 同上 |
| 人口増減(令和2年比) | −1,663人(−2.3%) | 同上(茨城県全体は−2.6%) |
| 1世帯当たり人員 | 2.36人 | 同上 |
| 面積 | 240.40km² | 令和8年1月1日 |
| 人口密度 | 291.0人/km² | 令和8年4月1日(住民基本台帳ベース人口69,959人により算出) |
| 年少人口(15歳未満) | 10.3% | 令和7年10月1日推計 |
| 老年人口・高齢化率(65歳以上) | 34.3% | 同上 |
| 昼夜間人口比率 | 91.8 | 令和2年国勢調査 |
| 1人当たり市町村民所得 | 3,042千円 | 令和5年度 |
| 年間観光入込客数 | 3,132,300人 | 令和6年(茨城県観光客動態調査) |
2. 人口データで読む笠間市
2-1. 人口規模と推移
令和7年国勢調査の速報値で、笠間市の人口は71,510人(県内12位)。令和2年の73,173人から1,663人(−2.3%)の減少です。茨城県全体の減少率−2.6%と比べるとやや緩やかですが、県央地域の中核・水戸市(−1.8%)と比べると減少ペースは速い、という立ち位置になります。
住民基本台帳ベースではさらに新しい数字が出ており、69,959人(令和8年4月1日現在・県公式)、直近の推計では69,716人(令和8年7月1日現在・市公式)まで下がっています。国勢調査(実際に住んでいる人を数える)と住民基本台帳(届出ベース)は数え方が異なるため数値が一致しないのが正常ですが、どちらで見ても人口減少局面にあることは変わりません。
内訳では、令和6年の出生数は293人、死亡数は1,087人で、自然増減は−794人(この2つの数値から算出した参考値)。転入・転出を含む社会増減の公表データは今回確認できませんでした。
創業時の目線:自然減だけで年間800人近く減っている街です。住民人口だけを商圏に見立てるビジネスは、年々パイが縮む前提で単価設計する必要があります。後述する観光客・移住者など「住民以外の客」をどう取り込むかが生存条件になります。
2-2. 年齢構成 ― 誰が住んでいる街か
令和7年10月1日時点の推計で、年少人口(0〜14歳)10.3%、生産年齢人口(15〜64歳)55.4%、老年人口(65歳以上・高齢化率)34.3%。県内でも高齢化が進んだ部類に入り、子育て世帯向けの市場は相対的に小さくなっています。
創業時の目線:高齢者向けの生活支援・医療周辺・移動販売などの需要は今後も伸びる一方、子ども向け業態は市場が薄いことを前提に、広域集客(観光客・近隣市町からの来店)を組み合わせる設計が必要です。
2-3. 世帯構成 ― 単価と客層を決める要素
1世帯当たり人員は2.36人(令和7年国勢調査速報値)。県都・水戸市(2.10人)よりも世帯規模がやや大きく、ファミリー世帯や複数世代同居が一定割合残っていると考えられます。世帯数30,356世帯に対して人口は減っているため、水戸市ほど極端ではないにせよ、世帯の小規模化は進行中です。
創業時の目線:水戸市ほど単身世帯化が進んでいないため、まとめ買い・家族向けメニューが機能する余地が残っています。ただし高齢化率34.3%を踏まえると、「量より個食対応」の設計も同時に必要です。
2-4. 昼間人口と商圏 ― 「住んでいる人」だけが客ではない
令和2年国勢調査によると、笠間市の夜間人口は73,173人、昼間人口は67,187人で、昼夜間人口比率は91.8。日中は約6,000人が市外(主に水戸市方面)へ通勤・通学で流出する、やや「流出型」の構造です。平日昼間だけを狙う業態にとっては、住民ベースの市場がさらに目減りすることを意味します。
一方で、笠間市には人口を大きく上回る観光客が訪れます。茨城県の観光客動態調査によると、笠間市の年間観光入込客数は3,132,300人(令和6年、前年比83.5%)。前年の令和5年は3,749,600人(前年比112.5%)でした。人口7万人強の街に、年間300万人を超える人が訪れている計算になり、住民だけを相手にする商売と、観光客を相手にする商売とでは、必要な立地・営業日・対応言語がまったく別物になります。なお県内での観光入込客数の順位は、公表資料に市町村別ランキング表が掲載されておらず未確認です。
創業時の目線:「笠間市=人口7万人の市場」という捉え方は過小評価です。特に笠間稲荷神社周辺や陶炎祭会場付近では、観光流動を前提にした業態(週末集中の飲食・物販・体験型サービス)が成立します。逆に生活必需品・日用品は住民ベースで冷静に見積もるべきです。
2-5. 外国人・学生など特徴的な層
外国人住民数について、市町村別の一次公表データを今回確認できませんでした。笠間市の特徴的な人口層としては、むしろ後述する笠間焼の窯元・陶芸家(約300人)が挙げられます。全国から独立を目指す若手陶芸家が移住してくる点が、他の県内自治体にはない笠間市特有の人口動態です。
創業時の目線:外国人住民の統計は確認できませんでしたが、陶芸を目的に移住してくる「クラフト系移住者」という独自の担い手層が存在することは、飲食・宿泊・ギャラリーなど関連業態を検討するうえで押さえておく価値があります。
3. エリア別の特徴 ― どこで開業するかで別のビジネスになる
笠間市は2006年3月19日、笠間市(旧)・友部町・岩間町の1市2町が新設合併して誕生しました。市名は「笠間市」を継承した一方、市役所本庁は旧友部町役場に置かれ(笠間・岩間は支所)、3地区はいまも性格がはっきり異なります。
① 笠間地区 ― 稲荷神社と陶芸の観光核
笠間稲荷神社の鳥居前町・笠間城の城下町として発展した歴史的中心地。日本三大稲荷のひとつとされる笠間稲荷神社の初詣参拝者数は300,000人(令和6年1月1日〜3日、前年比107.1%)。秋の「笠間の菊まつり」は195,000人(令和6年、10/26〜11/24)でしたが、前年の令和5年は838,000人(10/21〜11/26)と、年によって数字の振れ幅が非常に大きいイベントです。開催規模や天候の影響が大きいと考えられ、観光集客型の事業計画では単年の数字を鵜呑みにせず、複数年のレンジで見る必要があります。ゴールデンウィークの「笠間の陶炎祭(ひまつり)」は、笠間芸術の森公園で開催され、第45回(令和8年)の来場者数は公式発表で8万人、出店者は200者超でした。笠間駅の1日平均乗車人員は1,125人(令和5年度)です。
② 友部地区 ― 市役所と交通結節点
JR常磐線と水戸線が分岐する友部駅を擁し、北関東自動車道友部ICにも近い、市内で最も交通利便性が高いエリア。市役所本庁が置かれ、行政・ビジネス需要の中心です。友部駅の1日平均乗車人員は3,062人(令和5年度)で、市内3駅の中で最多。茨城中央工業団地(笠間地区)など主要な工業用地もこのエリアに集積しています。
③ 岩間地区 ― 栗の産地
「かさま新栗まつり」が開催される栗の産地で、合気道創始者・植芝盛平ゆかりの合氣神社もあります。岩間駅の1日平均乗車人員は1,156人(令和5年度)。栗専門店「岩間の栗や」小田喜商店など、地場農産物を活かした事業者が集積しています。
創業時の目線:同じ笠間市でも、笠間地区は観光客相手の週末型ビジネス、友部地区は住民・通勤者相手の平日型ビジネス、岩間地区は農産物加工・直売型ビジネスと、必要な業態がまったく異なります。「笠間市で開業する」ではなく「笠間市のどの地区で開業するか」から考えるべきです。
4. 産業構造 ― この街のお金はどこから来るのか
4-1. 産業別の就業者構成
令和2年国勢調査ベースで、第1次産業5.96%、第2次産業26.05%、第3次産業67.99%。県都・水戸市(第1次2.33%/第2次18.65%/第3次79.01%)と比べると、農業・製造業の比率が明確に高く、第3次産業(商業・サービス業)への一極集中度が低いのが特徴です。
4-2. 事業所数と従業者数
経済センサス等による市町村別の事業所数・従業者数は、今回一次資料で確認できませんでした。参考として、次項の商業データと5章の企業一覧をご覧ください。
4-3. 商業(卸売・小売)の市場規模
茨城県「市町村のデータ」による笠間市の年間商品販売額は1,012億円(令和2年)。県内の主要市町と比べると次のとおりです。
| 市町村 | 年間商品販売額(令和2年) |
|---|---|
| 水戸市 | 1兆5,687億円 |
| つくば市 | 5,907億円 |
| 土浦市 | 5,087億円 |
| 日立市 | 3,176億円 |
| ひたちなか市 | 3,072億円 |
| 石岡市 | 1,569億円 |
| 取手市 | 1,302億円 |
| 鹿嶋市 | 1,207億円 |
| 牛久市 | 1,058億円 |
| 守谷市 | 1,028億円 |
| 笠間市 | 1,012億円 |
| 大洗町 | 160億円 |
笠間市の年間商品販売額は水戸市の約1/15。県央地域の中心市である水戸市・ひたちなか市と比べると小規模で、牛久市・守谷市とほぼ同水準です。
創業時の目線:商業集積で勝負する街ではありません。「モノを売る」よりも「体験・特産品・観光消費」を軸にした事業のほうが、笠間市の強みに合っています。
4-4. 製造業・農業 ― 栗と笠間焼という2枚看板
製造品出荷額等は1,884億円(令和5年)。市内には茨城中央工業団地(笠間地区)のほか、岩間工業団地(6社)・笠間西工業団地(2社)・笠間南工業団地(1社)・飯田工業団地(1社)・笠間東工業団地(一部分譲中、2社)が立地し、精密機械・化学・食品など幅広い業種の工場が集まっています。
農業では、栗が突出した存在感を持ちます。茨城県は栗の収穫量3,780トンで40年連続全国1位(令和6年産、都道府県単位のランキング)。そのうえで笠間市は、茨城県の公表資料で「県内最大産地」と明記され、市町村別の栗の産出額でも全国1位とされています(茨城県公表資料)。この「全国1位」は県ではなく市町村単位の順位である点を押さえておいてください。菊・梨など他の主要品目の産出額については、今回一次資料で確認できませんでした。
そしてもうひとつの柱が、笠間焼という「産業クラスター」です。市内には陶芸家・窯元が約300人集まっており、単なる伝統工芸ではなく、独立を目指す若手作家が全国から集まる「作り手の集積地」になっています。江戸時代中期の安永年間(1772〜1781年)に信楽の陶工の指導で窯が築かれたのが起源とされ、戦後は県立窯業指導所(笠間芸術の森公園内の施設に継承)や笠間焼協同組合が主導し、厨房用の粗陶品から工芸陶器へと産地の性格を転換してきました。この「作り手が集まり続ける仕組み」を市が制度として持っている点は、他の43市町村にはない笠間市固有の強みで、6章で詳しく紹介します。
創業時の目線:笠間市でものづくり系の創業を考えるなら、工業団地への進出だけでなく、「陶芸クラスターの一員として創業する」という選択肢が現実的に存在します。窯元・ギャラリー・陶芸体験・器を使う飲食店など、笠間焼を起点にした業態は、この街ならではの参入障壁の低さがあります。
5. 笠間市を代表する企業 ― 取引先候補として
登記上の本店所在地を確認できた、笠間市に本社を置く主要企業です。
| 企業名 | 業種 | 本社所在地 |
|---|---|---|
| キヤノンモールド株式会社 | 精密金型製造 | 笠間市柏井812番2 |
| 株式会社潤工社 | フッ素樹脂製品製造 | 笠間市福田961-20 |
| 株式会社小田喜商店 | 栗の加工・販売(岩間の栗や) | 笠間市吉岡185-1 |
| 株式会社想石 | 石材(稲田石)採掘・加工 | 笠間市稲田 |
| 株式会社エダテック | 産業用機械・測定機器 | 笠間市内(番地は今回未確認) |
このほか、市内には本社が市外にある「進出企業」の工場・事業所も多く立地しています。日本たばこ産業株式会社(JT)友部工場、株式会社カイノス笠間工場(本社:東京都文京区)、株式会社金陽社笠間事業所(本社:東京都品川区)などが代表例で、いずれも笠間市内は生産拠点であり、本店登記は市外にある点に注意してください。
創業時の目線:本社機能を持つ企業は水戸市などと比べると少数ですが、精密機械(キヤノンモールド)、素材(潤工社)、食品(小田喜商店)、建材・観光(想石)と業種はばらけています。BtoBで取引先を探すなら、まずこの5社とその協力会社ネットワークが起点になります。
6. 創業支援制度とお金の話
6-1. 特定創業支援等事業(まず最初に取るべき証明)
笠間市商工課が窓口となり、創業支援施策を実施しています。特定創業支援等事業としての具体的な優遇措置(登録免許税の軽減幅、創業関連保証の前倒し期間など)の詳細は、今回の調査では確認できませんでした。証明の取得可否・具体的な優遇内容は、商工課へ直接確認することをおすすめします。
窓口:笠間市商工課 商業振興グループ(〒309-1792 笠間市中央三丁目2番1号)0296-77-1101
6-2. 笠間市独自の補助金 ― 陶芸創業支援が充実
笠間市の創業支援制度で特筆すべきは、一般の創業補助に加えて、笠間焼という地場産業に特化した支援策が何段階にも用意されている点です。
| 制度名 | 上限額 | 補助率 | 主な対象 | 令和8年度の状況 |
|---|---|---|---|---|
| 笠間市創業支援事業 | 50万円 | 1/2以内 | 市内で新築・空き店舗を活用して創業(指定業種) | 募集中(〜令和9年2月26日、予算終了次第終了) |
| 笠間市市街地活性化創業支援事業 | 300万円 | 1/2以内 | 友部駅・笠間駅・岩間駅周辺の指定区域で創業 | 募集中(〜令和9年2月26日、予算終了次第終了) |
| 笠間焼販路開拓支援事業補助金(個展・販売会等出展) | 10万円 | 1/2 | 陶芸大学校卒業・独立5年以内の笠間焼作家 | 募集中(〜令和9年3月31日) |
| 笠間焼販路開拓支援事業補助金(オープンアトリエ支援) | 30万円 | 1/2 | 市内在住の笠間焼作家・団体 | 募集中(〜令和9年3月31日) |
| 笠間陶芸修行工房「スタジオnido」 | 月額25,000円で工房貸与(最長3年) | ― | 陶芸大学校卒業・未創業の陶芸家(市内在住・市税完納) | 通年運営(平成30年4月開設) |
| 笠間焼産地後継者育成補助金 | 未確認 | 未確認 | 新たに市内で窯業を創業する者 | 実施中(金額・要件は要確認) |
「市街地活性化創業支援事業」は上限300万円と、県内でも手厚い部類に入ります。加えて陶芸の道具・工房の初期投資は高額になりがちですが、「スタジオnido」を使えば月2.5万円で創業前の技術研鑽と実績づくりができる仕組みが整っています。なお「笠間陶芸大学校」は、これら複数の補助金で「卒業していること」が対象要件になっている教育機関ですが、運営主体・所在地などの詳細は今回の調査では確認できませんでした。
創業時の目線:陶芸で独立を考えているなら、①陶芸大学校で技術を学ぶ→②スタジオnidoで最長3年・月2.5万円の工房を借りて独立準備→③笠間焼販路開拓支援事業補助金で個展・オープンアトリエの費用を補助、という3段階の支援が制度としてつながっています。これは県内44市町村の中でも笠間市にしかない仕組みです。
6-3. 融資・制度融資
| 制度 | 限度額 | 条件 |
|---|---|---|
| 笠間市 自治金融 | 1,000万円 | 融資期間10年、信用保証料の一部を市が補助(延滞保証料を除く) |
| 笠間市 振興金融 | 2,000万円 | 同上 |
金利や利子補給の詳細は市の公式ページに明記がなく、今回確認できませんでした。申込窓口は笠間市商工課(0296-77-1101)です。
6-4. 相談窓口・コワーキング
| 窓口 | 所在地 | 連絡先 |
|---|---|---|
| 笠間市商工会 | 笠間市笠間1464-3 | 0296-72-0844 |
| 笠間市商工課 | 笠間市中央三丁目2番1号 | 0296-77-1101 |
| 産業活性化コーディネーター(無料相談) | ひたちなかテクノセンター企業支援部 | 029-264-2200(直通080-7233-0856) |
コワーキングスペース・インキュベーション施設について、市内に複数の民間拠点が存在するという情報は確認できましたが、所在地・料金など一次情報での裏取りは今回できませんでした。陶芸分野に限れば、前述の「スタジオnido」が事実上のインキュベーション施設として機能しています。
7. 開業手続きの窓口
- 飲食店営業許可・食品衛生:笠間市は県が所管する保健所の管轄下にあり、窓口は茨城県中央保健所(水戸市笠原町993-2/029-241-0100)です。管轄区域は笠間市・小美玉市・茨城町・大洗町・城里町の5市町。
- 法人市民税:法人税割8.4%(令和元年10月1日以後開始事業年度)。県内では水戸市・取手市・筑西市・大洗町・守谷市・石岡市・龍ケ崎市も同じ8.4%を採用しており、6.0%(標準税率)を採用する牛久市・神栖市・鹿嶋市より税負担は重くなります。均等割は資本金1,000万円以下・従業者50人以下の区分で年5万円。
- 事業所税:事業所税は人口30万人以上の指定都市等が課税団体となる制度であり、人口約7万人の笠間市は該当しないと考えられます(市公式ページでの明示的な記載は確認できていないため、念のため笠間市税務課へご確認ください)。
8. 笠間市で創業するときのチャンスとリスク
チャンス
- 陶芸家・窯元約300人という全国有数の「作り手クラスター」があり、市が創業前の工房貸与から独立後の販路開拓補助まで一貫して支援している
- 創業支援が県内屈指に手厚い:市街地活性化創業支援事業(上限300万円)、創業支援事業(上限50万円)がいずれも令和9年2月26日まで募集中
- 年間観光入込客数313万人(令和6年)は住民人口の約44倍。笠間稲荷神社初詣30万人など、住民以外の客を取り込む土台が大きい
- 栗(市町村別産出額全国1位)という強い一次産品ブランドがあり、加工・小売・飲食への展開余地がある
リスク
- 人口減少率−2.3%(令和2年比)、高齢化率34.3%、年少人口10.3%と、子育て世帯向け市場は縮小傾向
- 昼夜間人口比率91.8のやや流出型。平日の住民購買力は目減りしており、住民だけを相手にする業態は厳しい
- 年間商品販売額1,012億円は水戸市の約1/15。商業集積で勝負する街ではない
- 観光関連イベントの集客数は年により大きく変動する(笠間の菊まつりは令和5年83.8万人→令和6年19.5万人)。観光集客型ビジネスは単年の数字を前提にしないこと
創業予定であれば、まず笠間市商工課(0296-77-1101)で特定創業支援等事業の証明取得の可否を確認しつつ、陶芸関連であれば「スタジオnido」や笠間焼販路開拓支援事業補助金の活用を、非陶芸分野であれば市街地活性化創業支援事業(上限300万円)の対象区域(友部・笠間・岩間の各駅周辺)に立地できるかを最初に検討するのが、笠間市では効率的な動きです。
データ出典
- 市町村のデータ(笠間市)/茨城県
- 令和2年国勢調査 従業地・通学地による人口集計(表-4)/茨城県
- 笠間市 人口・世帯数/笠間市公式ホームページ
- 茨城の観光レクリエーション現況(令和6年観光客動態調査報告)/茨城県
- 茨城の観光レクリエーション現況(令和5年観光客動態調査報告)/茨城県
- 笠間の陶炎祭(ひまつり)公式サイト
- 笠間焼について/笠間市公式ホームページ
- 笠間市の栗の生産に関する記述(市長コラム)/笠間市公式ホームページ
- 茨城県産品(栗)に関するプレスリリース/茨城県
- 事業用地のご案内/笠間市企業立地ガイド
- 茨城中央工業団地(笠間地区)/笠間市公式ホームページ
- 令和8年度 笠間市創業支援事業の募集について
- 令和8年度 笠間市市街地活性化創業支援事業の募集について
- 令和8年度 笠間焼販路開拓支援事業補助金
- 笠間陶芸修行工房スタジオnido
- 中小企業資金融資制度について/笠間市公式ホームページ
- 法人市民税(法人税割)/笠間市公式ホームページ
- 法人市民税(均等割)/笠間市公式ホームページ
- 県内保健所一覧/茨城県
- 産業活性化コーディネーター/笠間市公式ホームページ
- 笠間市支援策/いばらき移住定住ポータルサイトRe:BARAKI
免責:補助金・融資制度は年度ごとに内容や募集状況が変わります。申請前に必ず各窓口(笠間市商工課 0296-77-1101 ほか)で最新情報をご確認ください。本記事の数値は2026年7月31日時点で公表されていたデータに基づいています。

