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【筑西市】創業・起業のための地域データガイド|人口・産業・支援制度でわかるビジネス環境

佐藤

CHIKUSEI STARTUP DATA GUIDE

人口減少数は県内2番目
それでも、ここで創業する理由。

令和2年から5,915人(−5.9%)の減少は、日立市に次いで県内2番目の大きさ。一方で農業産出額185億円・米の産出額は県内2位、1世帯当たり2.53人という県内でも高いファミリー世帯比率を持ちます。筑西市の市場構造を、創業予定者の視点で整理しました。

94,838人口(県内8位・令和7年速報)
−5.9%令和2年比(県平均は−2.6%)
2.531世帯当たり人員(県平均2.29人)
185.1億円農業産出額(米は県内2位・令和5年)

茨城県西部の中心都市・筑西市は、2005年に下館市・関城町・明野町・協和町が合併して誕生しました。JR水戸線・関東鉄道常総線・真岡鐵道の3路線が集まる下館駅を擁する交通結節点であり、米の産出額が県内2位という有数の農業地帯でもあります。一方で、令和7年国勢調査では人口減少数が県内で日立市に次いで2番目に大きいという厳しい現実も抱えています。人口・産業・企業・支援制度のデータから、筑西市で創業するという選択を検証します。

OVERVIEW

この記事でわかること

  • 筑西市の人口規模・年齢構成と、県内でも際立つファミリー世帯比率の高さ
  • 農業産出額185億円・米の産出額は県内2位という、筑西市ならではの一次産業の強み
  • 旧下館・関城・協和・明野、合併前の4市町それぞれで異なる地域性
  • 筑西市に本社(登記上の本店)を置く主要企業と、市内工業団地に進出した企業
  • 創業時に使える補助金・相談窓口の具体的な金額と窓口、法人市民税の税率
SECTION 01

1. 筑西市の基本プロフィール

人口・世帯・所得まで、判断に使う数字を一枚に。

項目
データ基準時点
人口
94,838(県内8位)令和7年国勢調査 速報値
世帯数
37,526世帯同上
人口増減(令和2年比)
−5,915(−5.9%)日立市に次ぎ県内2番目に大きい減少数同上
1世帯当たり人員
2.53人(県平均2.29人を大きく上回る同上
面積
205.30km²令和8年1月1日
人口密度
467.1人/km²令和8年4月1日
住民基本台帳人口
95,898人(世帯40,266)令和8年4月1日
高齢化率(65歳以上)
33.6%令和7年10月1日推計
年少人口(15歳未満)割合
10.0%同上
生産年齢人口(15〜64歳)割合
56.4%同上
1人当たり市町村民所得
3,486千円令和5年度
市町村民所得
342,586百万円(約3,426億円)令和5年度
SECTION 02

2. 人口データで読む筑西市

縮むスピードの速さと、ファミリー世帯の厚み。相反する2つを同時に見ます。

2-1. 人口規模と推移

令和7年国勢調査の速報値で、筑西市の人口は94,838人。令和2年から5,915人(−5.9%)の減少で、この減少数は日立市に次いで県内で2番目に大きい規模です。減少率−5.9%は、茨城県全体の減少率−2.6%(2,791,207人)の2倍以上のペースであり、県平均より明確に速いスピードで人口が縮んでいることになります。

なお住民基本台帳ベースの人口は95,898人(令和8年4月1日現在)で、国勢調査の速報値とは調査方法・基準時点が異なるため差があります(住基は登録ベース、国勢調査は実際の常住者ベース)。

暦年(令和6年)の出生数は427人、死亡数は1,500人で、自然増減は−1,073人と大幅な自然減が続いています。

筑西市の人口減少率
−5.9%令和2年比で5,915人減。日立市に次いで県内2番目に大きい減少数
茨城県全体の人口減少率
−2.6%県全体は2,791,207人。筑西市はこの2倍以上のペース
創業時の目線

人口減少のスピードは県平均より明確に速く、「何もしなければ市場は毎年縮む」前提で事業計画を立てる必要があります。一方で、後述する農業・製造業の基盤や、県西地域の中でも一定の商圏規模があることは、縮小のなかでも成立するビジネスモデルを考えるヒントになります。

2-2. 年齢構成 ― 誰が住んでいる街か

10.0%年少人口(0〜14歳)
56.4%生産年齢人口(15〜64歳)
33.6%老年人口(65歳以上)

令和7年10月1日時点の推計で、年少人口(0〜14歳)10.0%、生産年齢人口(15〜64歳)56.4%、老年人口(65歳以上・高齢化率)33.6%。県平均を上回る高齢化率で、子育て世代の比率は相対的に小さめです。

創業時の目線

高齢化率33.6%は、訪問系・生活支援系・医療周辺サービスの需要が今後も伸びる可能性を示しています。一方で年少人口10.0%という数字を踏まえると、子育て関連の新規業態は商圏を狭く見積もっておくのが安全です。

2-3. 世帯構成 ― 単価と客層を決める要素

2.53人筑西市
2.29人茨城県平均
2.10人水戸市
2.15人つくば市

1世帯当たり人員は2.53人で、茨城県平均(2.29人)を大きく上回ります。県庁所在地の水戸市(2.10人)やつくば市(2.15人)と比べても明確に高く、県内でもファミリー世帯の比率が高い部類に入る自治体です。人口は減っているものの、世帯としては「単身化」よりも「複数人世帯の維持」が相対的に進んでいる街だといえます。

創業時の目線

水戸市・つくば市のような単身・二人世帯前提の少量・個食型設計とは異なり、筑西市では大容量・家族向けの商品設計や、子ども連れ・多世代利用を意識した業態のほうが市場に合いやすいと考えられます。飲食・小売・住宅関連はここが水戸市との大きな違いです。

2-4. 昼間人口と商圏 ― 「住んでいる人」だけが客ではない

3路線下館駅に乗り入れ(JR水戸線・関東鉄道常総線・真岡鐵道)
2,943人JR東日本 1日平均乗車人員(令和5年度)

昼間人口・夜間人口・昼夜間人口比率は、今回の調査では一次資料(総務省統計局・令和2年国勢調査 従業地・通学地集計)から確定値を取得できませんでした。該当データなしとして扱います。

参考情報として、筑西市の中心にはJR水戸線・関東鉄道常総線・真岡鐵道の3事業者3路線が乗り入れる下館駅があります(真岡線は当駅が起点、常総線は当駅が終点)。県西地域の交通結節点としての機能は持つ一方、JR東日本の1日平均乗車人員は2,943人(令和5年度)にとどまり、県内の主要駅と比べると規模は大きくありません。

創業時の目線

「3路線が乗り入れる駅だから人が集まる」というイメージだけで下館駅前立地を決めるのは危険です。乗車人員の実数はさほど大きくなく、駅前立地に頼るより、後述する地区ごとの生活圏・車での来店動線を前提に商圏を組み立てるほうが現実的です。

2-5. 外国人・学生など特徴的な層

外国人住民数・割合、学生数について、今回の調査では一次資料から確定値を取得できませんでした。該当データなしとして扱います。記事作成にあたっては、茨城県国際課の市町村別在留外国人数データなど、別途一次資料の確認をおすすめします。

SECTION 03

3. エリア別の特徴
― どこで開業するかで別のビジネスになる

旧1市3町が合併した市。下館は商業、関城・協和・明野は農業です。

筑西市は2005年3月28日に、下館市・関城町・明野町・協和町の1市3町が合併して誕生した市です。合併から20年が経ちますが、旧市町ごとの産業性格は今もはっきり残っています。

01

下館地区(旧下館市)

空きテナントが多かった商業ビルに市役所が入り、中心部を再生。

市役所・下館駅が所在する行政・商業の中心地。江戸時代からの城下町であり、商業都市として発展してきました。市役所本庁舎は、かつて空きテナントが多かった商業ビル「下館SPICA(スピカビル)」に2017年2月13日に移転しており(2007年3月には分庁舎として先行活用)、空洞化した商業ビルを行政機能で再生させた事例といえます。下館商工会議所もスピカビル6階に入居しています。

02

関城地区(旧関城町)

養蚕・絹織物の歴史を持つ、梨の産地。

養蚕・絹織物の歴史を持ち、梨栽培の産地として知られます(1937年には共同販売組織が設立された記録があります)。旧下館市南部にも梨栽培は広がっています。

03

協和地区(旧協和町)

県内有数の小玉スイカ産地。

小玉スイカの産地。県内有数の小玉スイカ産地として知られています。

04

明野地区(旧明野町・市北部)

いちご栽培が盛んなエリア。

いちご栽培が盛んなエリアです。

05

グランテラス筑西周辺

駐車場361台。国道50号沿いの広域集客型エリア。

国道50号バイパス沿いの「道の駅グランテラス筑西」(筑西市川澄1850)は2019年7月11日に開駅した、駐車場361台(大型車43台含む)を備える「北関東最大級」をうたう複合型ハイブリッド道の駅です。国道50号沿いの広域集客型エリアとして、車での来店を前提にした業態と相性が良いエリアです。

創業時の目線

同じ筑西市内でも、下館地区は商業・行政、関城・協和・明野の各地区は農業という別の顔を持っています。「筑西市で開業する」ではなく「筑西市のどの地区で、どの生活圏を相手にするか」まで具体的に決める必要があります。

SECTION 04

4. 産業構造
― この街のお金はどこから来るのか

第1次産業7.46%は水戸市の3倍以上。農業が地域経済の柱です。

4-1. 産業別の就業者構成

第3次
57.44%
サービス業ほか
第2次
35.10%
製造・建設
第1次
7.46%
農林水産

令和2年国勢調査ベース

令和2年国勢調査ベースで、第1次産業7.46%、第2次産業35.10%、第3次産業57.44%。第1次産業の比率は、水戸市(2.33%)の3倍以上にあたり、農業が地域経済の中で明確な存在感を持っていることがわかります。

創業時の目線

第1次産業就業者比率の高さは、農産物の加工・直売・観光農園・農家民宿など、農業を軸にした創業の裾野が広いことを示しています。原料調達の近さという強みを生かせる業種は、筑西市ならではの選択肢になり得ます。

4-2. 事業所数と従業者数

全産業合計の事業所数・従業者数について、今回の調査では確定値を一次資料から取得できませんでした。該当データなしとして扱います。産業別の詳細は、e-Stat「令和3年経済センサス‐活動調査」で個別に確認することをおすすめします。

4-3. 商業(卸売・小売)の市場規模

茨城県「市町村のデータ」による筑西市の年間商品販売額は1,876億円(令和2年、経済センサス‐活動調査)です。卸売業・小売業の内訳(事業所数・従業者数・販売額)については、統計原本の大部な表組みから読み取りを試みましたが、抽出のたびに数値が変動し信頼できる内訳を確定できなかったため、本記事では合計額のみを掲載します。

県内主要都市との比較は以下の通りです(いずれも令和2年、県「市町村のデータ」より)。

市町村
年間商品販売額(令和2年)
水戸市
1兆5,687億円
つくば市
5,907億円
土浦市
5,087億円
日立市
3,176億円
ひたちなか市
3,072億円
神栖市
2,446億円
古河市
2,445億円
筑西市
1,876億円
取手市
1,302億円
牛久市
1,058億円

※ 棒の長さは水戸市(1兆5,687億円)を100%とした実数比です。

筑西市の商業規模は、県都・水戸市の約8分の1程度ですが、取手市・牛久市を上回る規模を持っています。

創業時の目線

水戸市やつくば市のような大規模な商圏を前提にはできませんが、県西地域の中では一定の購買力を持つ市場です。県内トップ層との比較で「小さい」と判断するより、取手市・牛久市など同規模帯の自治体と比べて、身の丈に合った出店規模を検討するのが現実的です。

4-4. 製造業・農業など地域の基幹産業

6,526億円製造品出荷額等(令和5年)
185.1億円農業産出額(令和5年・県内8位)
56.4億円米(県内2位)
71.9億円野菜

製造業:製造品出荷額等は6,526億円(令和5年)。市内には下館第一工業団地、下館第二工業団地、つくば関城工業団地、関舘工業団地、つくば明野工業団地、つくば明野北部工業団地、玉戸工業団地など複数の工業団地があり、関東内陸工業地域の一角を形成しています。市の企業誘致資料で確認できた進出企業には、自動車用ブレーキを製造する日本ブレーキ工業(つくば明野北部工業団地、従業員160人)、冷凍食品・チーズ製品を製造する宝幸筑西工場(従業員88人)などがあります。

農業:農業産出額は185.1億円(令和5年)で県内8位、前年比108.1%。品目別では米56.4億円(県内2位。※「全国6位」は茨城県全体の米産出額の順位であり、筑西市単独の順位ではありません)、野菜71.9億円、肉用牛18.0億円が上位です。加えて、関城地区の梨、協和地区の小玉スイカ、明野地区のいちごが地区ごとの特産品として知られています。

創業時の目線

農業産出額185億円・米の産出額県内2位という数字は、原料の近さを生かした食品加工業・産直型の直売・農業体験型の観光業にとって具体的な裏付けになります。製造業側でも、自動車部品・食品加工の工場が複数立地しており、下請け・関連サービス(物流、資材、保守)の需要も見込めます。

SECTION 05

5. 筑西市を代表する企業
― 取引先候補として

市内に本社を置くと確認できたのは2社。うち1社は東証グロース上場です。

筑西市に本社(登記上の本店)を置くことを確認できた主要企業です。

総合商社(エネルギー・IT・自動車等)
関彰商事株式会社
下館本社=筑西市。法人登記上の本店も筑西市
電解銅箔製造(EV電池材料等)
日本電解株式会社
筑西市本社、東証グロース上場(証券コード5759)
注意

このほか、求人媒体などで「筑西市本社」と紹介される企業も複数ありますが、登記上の本店所在地まで確認が取れなかったため、本記事では掲載を見送っています。

また、本社は市外にあるものの市内の工業団地に工場・事業所を構える企業として、日本ブレーキ工業(つくば明野北部工業団地、従業員160人)、宝幸筑西工場(従業員88人)が確認できています。

創業時の目線

本社機能を持つ企業数は水戸市やつくば市に比べると少なめですが、東証グロース上場企業(日本電解)や大手総合商社(関彰商事)が本社を置いている点は、BtoBの取引先候補として押さえておく価値があります。また工業団地に進出した製造業の工場群は、部品供給・物流・保守サービスなど関連ビジネスの潜在的な取引先です。

SECTION 06

6. 創業支援制度とお金の話

起点は特定創業支援等事業の証明。空き店舗補助金は募集状況の確認から。

6-1. 特定創業支援等事業 ― まず最初に取るべき証明

筑西市は産業競争力強化法に基づく創業支援等事業計画の認定を受けています。実施機関は、筑西市、下館商工会議所、筑西市商工会、日本政策金融公庫水戸支店、茨城県信用保証協会、茨城県よろず支援拠点、関東信越税理士会茨城県支部連合会等で、ワンストップ相談窓口や創業支援セミナーなどを通じて特定創業支援等事業を実施しています。年間目標は創業支援対象者数120件、創業者数40件と設定されています。

特定創業支援等事業の証明を取得すると、全国共通で以下のような優遇が受けられます。

優遇内容 具体的な効果
登録免許税の軽減 税率0.7%→0.35%(株式会社設立の場合)
創業関連保証の特例 無担保・第三者保証人不要の保証を、事業開始の6か月前から利用可
日本政策金融公庫 新規開業資金等の貸付利率引き下げ
小規模事業者持続化補助金 創業枠の要件を満たせば補助上限200万円・補助率2/3

窓口:下館商工会議所 0296-22-4596(筑西市丙360・スピカ6F)/筑西市商工会 0296-52-2511(筑西市海老ヶ島1292-1)/筑西市商工観光課 0296-24-2111(代表)

6-2. 筑西市独自の補助金

制度名 内容 令和8年度の状況
筑西市空き店舗等活用事業補助金 改装費補助:上限50万円(1回限り、補助率1/2)/賃借料補助:月額上限5万円×最大12か月。対象は市街化区域内の商業地域の空き店舗。週5日以上・1年以上の継続営業見込みなどが要件 未確認(令和7年度の募集告知ページが調査時点で参照できなくなっており、最新の募集有無は商工観光課への確認が必要)
筑西市サテライトオフィス等開設支援事業補助金 新たにサテライトオフィス等を開設する事業者を対象に経費の一部を補助(雇用創出・人口増加が目的) 補助上限額・補助率など詳細は未取得。窓口へ要確認

問い合わせ:商工観光課商工振興係 0296-54-7011

創業時の目線

空き店舗等活用事業補助金は改装費と賃料の両方を補助する内容で、下館地区のような中心市街地での実店舗開業には有力な選択肢です。ただし令和8年度の募集状況が公式サイト上で確認できなかったため、申請を検討する場合は必ず商工観光課へ直接問い合わせて、募集の有無から確認してください。

6-3. 融資・制度融資

筑西市独自の中小企業融資あっせん制度(限度額・金利・保証料補助・利子補給など)については、今回の調査では一次資料から確定した内容を取得できませんでした。該当データなしとして扱います。申請を検討する場合は、下館商工会議所または筑西市商工会に直接お問い合わせください。

なお、市の制度とは別に、茨城県が県内共通で実施する創業支援融資が利用できます。

制度 限度額 条件
茨城県 創業支援融資 3,500万円 年1.5〜1.8%/保証料年0.9%(経営者保証不要の場合1.1%)→2027年3月31日まで0.3%引下げ、さらに引下げ後の5割(上限0.3%)を県が補助/設備10年・運転7年以内

6-4. 相談窓口・コワーキング

窓口 所在地 連絡先
下館商工会議所 筑西市丙360(スピカ6F) 0296-22-4596(受付8:45〜17:15)
筑西市商工会 筑西市海老ヶ島1292-1 0296-52-2511(旧関城・明野・協和地区を管轄)
筑西市商工観光課 筑西市丙360(市役所内) 0296-24-2111(代表)/0296-54-7011(商工振興係)

コワーキングスペース

  • コワーキングスペースさくら:ホテルニューつたやに併設。テレワークブース、Wi-Fi無料、電源使い放題、駐車場無料。TEL 0296-24-8181。
SECTION 07

7. 開業手続きの窓口

保健所は茨城県筑西保健所。法人税割8.4%は制限税率です。

  • 飲食店営業許可・理美容所など:筑西市は保健所設置市ではないため、茨城県筑西保健所が窓口です。所在地は〒308-0841 筑西市二木成615(茨城県筑西合同庁舎1階)、TEL 0296-24-3911(総務課)。管轄区域は結城市・下妻市・筑西市・桜川市・八千代町です。
  • 法人市民税:法人税割は8.4%(令和元年10月1日以後開始事業年度)。これは地方税法上の制限税率(超過課税の上限)にあたり、標準税率6.0%を採用する自治体と比べると税負担は重くなります。過去も平成26年9月30日まで14.7%、平成26年10月1日〜令和元年9月30日は12.1%と、一貫して制限税率を採用してきた経緯があります。均等割は資本金等の額と従業員数により9区分あり、資本金1,000万円以下・従業員50人以下の小規模法人は年額60,000円です。
  • 事業所税:事業所税の課税団体は地方税法上、人口30万人以上の市等に限定されており、筑西市(人口約9.5万人)はこの要件に該当しないため、課税団体ではないと考えられます。ただし筑西市の公式サイトでこの点を明示した記載までは確認できなかったため、念のため市税務課へご確認ください。
創業時の目線

法人市民税の法人税割8.4%は、標準税率6.0%の自治体と比べて実質的な税負担が重い点です。特に利益が出てから法人化を考えている場合、この差は無視できません。一方で事業所税がかからない可能性が高い点はコストの見通しを立てやすい材料です。

SECTION 08

8. 筑西市で創業するときの
チャンスとリスク

実体のある産業基盤と、県平均の2倍で縮む市場を並べて見ます。

チャンス
  1. 農業産出額185億円・米の産出額県内2位 ― 原料の近さを生かした食品加工・直売・農業体験型ビジネスの土台が明確にある
  2. 1世帯当たり2.53人という県内でも高いファミリー世帯比率 ― 単身世帯化が進む水戸市・つくば市とは異なる、家族向け需要が相対的に強い市場
  3. 空き店舗等活用事業補助金(改装費上限50万円+賃料月5万円) ― 下館地区の中心市街地で実店舗を持つハードルを下げられる
  4. 下館駅は3社局が乗り入れる県西の交通結節点 ― 規模は大きくないものの、県西地域の人の流れが集まる場所としての位置づけは残る
  5. 東証グロース上場企業(日本電解)や関彰商事など有力企業の本社が立地 ― BtoBの取引先候補が市内で一定数見つかる
リスク
  1. 人口減少数5,915人(−5.9%)は日立市に次いで県内2番目に大きい。県平均−2.6%の2倍以上のペースで縮小が進んでおり、何もしなければ市場は毎年縮む前提で計画する必要がある
  2. 高齢化率33.6%・年少人口10.0% ― 子育て関連や若年層向けの新規業態は、商圏をかなり保守的に見積もる必要がある
  3. 商業規模(年間商品販売額1,876億円)は水戸市の約8分の1 ― 県内トップ層と同じ発想での大規模出店は現実的ではない
  4. 法人市民税の法人税割8.4%は制限税率で、標準税率6.0%の自治体より税負担が重い
  5. 空き店舗等活用事業補助金の令和8年度募集状況が公式サイト上で確認できない ― 制度自体はあっても、年度ごとの予算・募集タイミングを自分で確認する手間が発生する
  6. 筑西市独自の事業者向け融資あっせん制度の詳細が今回確認できなかった ― 資金調達は県の創業支援融資や日本政策金融公庫を軸に検討し、市の制度は商工会議所・商工会で直接確認するのが確実

筑西市は、人口減少という厳しい現実を抱えながらも、農業・製造業という実体のある産業基盤と、旧4市町それぞれの地域性を持つ街です。「筑西市全体」を一つの市場として見るのではなく、下館地区の商業・行政需要、関城・協和・明野の農業関連需要というように、地区単位でどの生活圏を狙うかを具体的に決めることが、創業の成否を分けるポイントになります。

筑西市での創業、
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特定創業支援等事業の証明取得から、法人形態の検討、創業融資、開業後の資金繰りまで、つくば税理士事務所がデータをもとにご一緒に整理します。

ABOUT ME
佐藤
佐藤
税理士・公認会計士
東京都立大学(旧・首都大学東京)を卒業後、KPMGあずさ監査法人に入所。銀行・証券会社をはじめとする日系金融機関を中心に、監査業務に従事してまいりました。その後、茨城県つくば市にて税理士事務所を開設し、現在に至ります。
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