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弥生会計・マネーフォワード・エクセルからfreee会計へ乗り換える手順

佐藤
MIGRATION / 乗り換え

乗り換えは期首(事業年度の初日)に合わせるのが最小コストです。期の途中で移すと、残高の移し替えに加えて、旧ソフトとfreee会計の二重計上を確認する作業が一気に増えます。移す対象は「開始残高」と「マスタ(取引先・勘定科目)」が中心で、過去の仕訳をすべて移す必要はありません。

期首切り替えの最適タイミング
2移すもの(残高・マスタ)
3失敗しやすいポイント

監修:佐藤公認会計士・税理士事務所/最終更新 2026-08-27

SECTION 01

移すものは「残高」と「マスタ」だけ

会計ソフトの乗り換えでは、旧ソフトにある過去の仕訳をすべてfreee会計へ移そうとしがちです。しかし、形式や勘定科目の対応を一つずつ整えるほど、変換ミスや重複の確認が増えます。新しい年度をfreee会計で始めるなら、過年度の明細まで同じ画面に再現する必要はありません。

旧ソフトのデータは、仕訳帳や総勘定元帳をPDFまたはCSVで出力し、必要なときに閲覧できる形で残します。帳簿の保存義務には旧ソフト側の出力で備え、freee会計には新しい年度の記帳に必要な情報を引き継ぎます。解約を予定している場合も、必要な帳簿を出力し、内容を開けることまで確認してから手続きを進めると安全です。

freee会計へ入れる中心は、期首時点の開始残高と、取引先・勘定科目・固定資産台帳などのマスタです。開始残高には預金だけでなく、売掛金、買掛金、借入金など、前期から続く残高を反映します。マスタは最初から全部を作り込まず、新しい年度で使うものを優先すると、切り替え後の運用を早く始められます。

乗り換えは「引っ越し」ではなく「口座の切り替え」に近い作業です。全部持っていく必要はありません。

SECTION 02

手順

移行作業は、旧ソフト側の保存を終えてからfreee会計側の設定に進むと整理しやすくなります。先に口座同期を始めると、開始残高との境目が曖昧になり、同じ取引を重ねて登録する原因になります。次の順番で、証拠を残す作業と新しい記帳を始める作業を分けてください。

基準になるのは、前期末の貸借対照表と残高試算表です。旧ソフトの残高とfreee会計の開始残高が一致してから、口座やカードの同期へ進みます。各工程が終わるたびに元資料と照合すると、切り替え後に原因をさかのぼる手間を抑えられます。

STEP 01

旧ソフトから決算書と残高試算表を出す

前期末の貸借対照表が、freee会計へ登録する開始残高の元になります。残高試算表も出力し、預金や売掛金などの内訳を確認できるようにします。出力後は対象の会計期間が正しいかを確かめてください。

STEP 02

旧ソフトの帳簿をPDF/CSVで保存する

帳簿の保存義務に備えて、仕訳帳と総勘定元帳を出力します。PDFは閲覧用、CSVは検索や集計に使える資料として残せます。保存したファイルが開けることと、必要な期間が含まれていることまで確認します。

STEP 03

freeeで事業所を作り、期首日を設定する

事業所を作成し、新しい年度の期首日を設定します。ここを間違えると、取引を登録した後の修正が大きな作業になります。旧ソフトの会計期間と照らし合わせ、切り替えの境目を明確にしてください。

STEP 04

開始残高を入力する

前期末の貸借対照表にある数字を、freee会計の開始残高へそのまま入れます。預金だけを入力して終わらせず、債権、債務、借入金、固定資産に関係する残高も確認します。入力後は、借方と貸方の合計が一致していることを確かめます。

STEP 05

マスタを移す

取引先、よく使う勘定科目、固定資産台帳を整えます。名称が似た勘定科目を重複して作ると、切り替え後の集計が分かれるため注意が必要です。旧ソフトの一覧と対応を確認し、今後使う項目から登録します。

STEP 06

口座とカードを同期する

同期開始日を期首に合わせ、開始残高より前の明細を取り込まないようにします。CSVで明細を補う場合は、その期間が同期データと重ならないように区切ります。具体的な設定はfreee会計の銀行口座・クレジットカード同期方法と「同期できない」ときの対処も確認してください。

SECTION 03

ソフト別の注意点

切り替えの基本手順は同じでも、旧ソフトの考え方によって迷いやすい場所は変わります。データの保管場所、入力の単位、貸借対照表の有無を先に見極めることが大切です。移行機能の有無だけで判断せず、切り替え後に正しい残高から記帳を始められるかを基準にしてください。

特に、旧ソフトとfreee会計で勘定科目名が似ていても、集計先が同じとは限りません。自動変換だけに任せず、決算書上でどこに表示される項目かを照合します。判断に迷う科目がある場合は、開始残高を確定する前に顧問税理士へ確認すると手戻りを防げます。

弥生会計から

デスクトップ製品はデータがPC内にあるため、移行前に必ずバックアップを取ります。バックアップとは別に、決算書と帳簿も閲覧できる形式で出力してください。会計期間の区切りと勘定科目体系の違いを確認してから、freee会計の開始残高へ対応させます。

マネーフォワード クラウドから

マネーフォワード クラウドは仕訳ベースで考えやすい一方、freee会計は「取引」ベースの入力が中心です。簿記が分かる方ほど、借方と貸方を直接組み立てない操作に戸惑うことがあります。旧ソフトの入力方法をそのまま再現せず、明細から取引を登録する流れを試してから切り替えてください。

エクセルから

売上や経費の集計ができていても、エクセルには貸借対照表がないケースが多くあります。その場合はインポートの前に、預金、未回収の売上、未払いの経費、借入金などを洗い出し、開始残高を作ります。収支の一覧だけを移しても前期から続く財産や債務は引き継がれないため、残高の整理を優先してください。

SECTION 04

失敗しやすい3つのポイント

乗り換え後の数字が合わない原因は、データ移行そのものより、切り替えの境目と初期設定に集まりやすいものです。なかでも二重計上、開始残高の入れ忘れ、消費税の設定は、日々の入力を続けるほど修正範囲が広がります。最初の取引を登録する前に、次の3点を確認してください。

確認するときは、freee会計の画面だけを見ず、旧ソフトの残高試算表や同期元の明細と照合します。差額が出た場合は、どの期間から生じているかを絞り込みます。切り替え直後に確認を終えれば、後から多数の取引を開いて直す状況を避けられます。

01

二重計上

口座同期の開始日とCSVインポートの期間が重なると、同じ明細が2回入ります。同期で取り込む期間とCSVで補う期間を先に分け、境目の日付をそろえてください。登録後は金額だけでなく、日付と摘要が同じ明細が並んでいないかも確認します。

02

開始残高の入れ忘れ

預金の動きは同期で入っても、売掛金・買掛金・借入金・減価償却の残高は自動では入りません。これらを省くと、入金や返済を登録したときに相手となる残高が合わなくなります。前期末の貸借対照表と固定資産台帳を使い、期首に続く項目を一つずつ確認します。

03

消費税の設定

課税事業者かどうか、簡易課税か本則か、インボイス登録番号を最初に設定します。設定が違うまま入力を続けると、期中の税区分がすべてずれ、後から取引ごとの確認が必要になります。判断できない場合は推測で進めず、前期の申告内容や税理士の確認をもとに設定してください。

SECTION 05

乗り換える前に確認したいこと

顧問税理士がいる場合は、事務所側がfreee会計に対応しているかを契約前に確認します。入力方法やデータの確認手順は会計ソフトごとに異なるため、顧問先と税理士が別々の前提で進めると運用が複雑になります。共有の進め方はfreee会計で税理士とデータ共有する方法|メンバー招待とアドバイザー制度で整理しています。

次に、必要な機能が検討中のプランに含まれるかを確認します。個人事業主版で消費税申告機能を使うにはスタンダード以上が必要です。法人版はプランごとに銀行口座の同期件数上限が異なるため、現在使っている口座を数え、今後増える可能性も含めて比べてください。

最後に、旧ソフトの契約終了日とfreee会計の利用開始日を決め、帳簿を確認できる期間を確保します。バックアップだけで安心せず、PDFやCSVとして開ける帳簿がそろっているかを確認してください。開始残高、マスタ、同期開始日の担当を決めておくと、切り替え当日の判断がぶれません。

TIP / 乗り換え支援

freee会計の個人プレミアム・入力おまかせ、法人の上位プランには「乗換代行」のサポートが付く場合があります。契約前に対象範囲をご確認ください。

SECTION 06

よくある質問

期の途中でも乗り換えられますか?

できますが、期首からその日までの取引をすべてfreee側に入れ直すか、途中残高を作る必要があります。手間を考えると期首をおすすめします。

旧ソフトはいつ解約していいですか?

帳簿の保存義務があるため、必要な帳簿をPDFやCSVで出力し終えてから解約してください。

過去の仕訳もfreeeに入れたほうがいいですか?

必須ではありません。比較したい場合だけ、前期の残高推移が分かる程度に入れれば十分です。

マネーフォワードとfreee、結局どちらがいいですか?

簿記の素地がある方や税理士と組む方はマネーフォワード、簿記を知らずに一人で完結させたい方はfreeeが合いやすい傾向があります。比較記事で詳しく整理しています。

乗り換え前の残高整理から、一緒に確認できます。

つくば税理士事務所では、freee会計への移行前チェックと初期設定をサポートしています。旧ソフトから何を残し、どこからfreee会計へ切り替えるか迷っている段階でもご相談ください。

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ABOUT ME
佐藤
佐藤
税理士・公認会計士
東京都立大学(旧・首都大学東京)を卒業後、KPMGあずさ監査法人に入所。銀行・証券会社をはじめとする日系金融機関を中心に、監査業務に従事してまいりました。その後、茨城県つくば市にて税理士事務所を開設し、現在に至ります。
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