Freee

freee会計のデメリット|「使いにくい」と言われる理由と導入前の注意点

佐藤
CAUTION / 注意点

freeeの弱点は、簿記が分かる人ほど操作を遠回りに感じやすいことと、プランごとに使える機能が細かく分かれていることです。逆にいえば、簿記を知らない人が一人で申告まで進めるための仕組みとしては、今も有力な選択肢です。合うかどうかは能力ではなく、会計処理の考え方や事業の状況との相性で決まります。

6導入前に見る注意点
月5枚スターターのファイル保存上限
20件下位法人プランの口座同期上限

監修:佐藤公認会計士・税理士事務所/最終更新 2026-08-27

SECTION 01

「使いにくい」と言われる正体

freeeは、借方と貸方を入力する仕訳帳を正面に置かず、入出金や請求といった「取引」を中心に設計されています。銀行口座やカードから取り込んだ明細の内容を選び、取引として登録すると、その裏側で会計データが組み立てられます。日々の出来事から処理を始めるため、簿記を知らない人でも操作の意味をつかみやすい仕組みです。

一方、簿記を学んだ人は、取引を見た瞬間に借方と貸方を思い浮かべます。その答えをfreeeの「取引」に置き換えて入力し、あとから仕訳を確認する流れには、思考を変換する手間が生じます。従来型の会計ソフトに慣れているほど、この一手を操作性の悪さと受け取りやすくなります。

どちらの考え方が正しいという話ではありません。入力する本人が取引ベースで考えたいのか、仕訳を直接組み立てたいのかを先に確認すると、導入後の違和感を減らせます。税理士に依頼する予定がある場合は、その事務所が普段使っているソフトも選定材料になります。

freeeが使いにくいのではなく、簿記の思考とfreeeの思考が別だ、というだけです。

SECTION 02

導入前に知っておきたい6つの注意点

操作の相性だけでなく、契約するプランによって変わる上限や機能も確認が必要です。最初は使えていても、証憑や口座、メンバーが増えた段階でプラン変更が必要になることがあります。現在の規模だけでなく、近い将来に必要になる処理まで書き出して比べてください。

特に消費税申告、ファイル保存、口座同期は、日常業務に直接影響します。あとから気づくとデータの整理や契約の見直しが発生するため、次の注意点を導入前のチェックリストとして使うと安全です。

01

消費税の申告は下位プランではできない

個人のスターターには消費税申告機能がなく、スタンダード以上が必要です。インボイス登録をして消費税申告が必要なら、実質的な選択肢はスタンダードからになります。確定申告機能があることだけで判断せず、消費税まで扱えるかを分けて確認してください。

02

ファイル保存の上限

個人スターターのファイル保存は月5枚までです。レシートや領収書を日常的に取り込む事業では、早い段階で足りなくなる可能性があります。手元の証憑量を確かめ、ファイルボックスをどこまで使うか決めておく必要があります。

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口座同期の件数に上限がある

法人では、ひとり法人とスターターが20件、スタンダードが50件、アドバンスとエンタープライズが100件です。銀行口座だけでなく、連携したいサービスを含めて数えることが大切です。複数の口座を部門や用途ごとに使い分けている法人は、先に必要件数を確認してください。

04

メンバーが増えると料金が乗る

法人は基本料金だけでなく、プランや使い方に応じてメンバー追加料金や従量課金がかかります。経理担当者や承認者を増やす予定がある場合、基本料金だけの比較では実際の負担を読み違えます。誰がどの機能を使うかまで整理して見積もる必要があります。

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解約するとデータが見られなくなる

プラン未契約になると、取引データや請求書類の閲覧・編集ができなくなり、口座同期も随時解除されて停止します。取り込み済みのデータ自体は保存されていますが、必要な帳簿をすぐ確認できる状態ではありません。解約前に、保管が必要な帳簿やデータを出力しておくことが重要です。

06

対応していない税理士がいる

会計事務所によって、標準的に扱う会計ソフトや確認手順は異なります。顧問を依頼する予定があるなら、freeeでのデータ共有に対応しているかを契約前に確認してください。ソフトを先に決めると、税理士選びが狭まったり、移行作業が必要になったりする場合があります。

※金額はすべて税抜。2026年8月時点の公式ヘルプセンター記載の内容です。最新の料金は必ず公式サイトでご確認ください。

SECTION 03

それでもfreeeが向いている人

注意点があるからといって、freeeを避けるべきとは限りません。取引を起点に入力でき、開業や会社設立から日々の会計までつなげられる設計は、簿記を前提にせず一人で処理したい人に向いています。スマホを中心に証憑や明細を整理したい場合にも、操作の考え方が合いやすいでしょう。

反対に、仕訳を直接組み立てたい人や、すでに別のソフトで業務が安定している人は、乗り換えによる負担も評価する必要があります。便利そうな機能の数ではなく、毎月の入力方法、税理士との連携、管理したい口座や部門を基準に判断してください。次の対比で当てはまる項目が多い側を、検討の出発点にできます。

freeeで問題ない人

  • 簿記を学ぶ予定がない
  • 一人で申告まで終わらせたい
  • 開業や会社設立からまとめたい
  • スマホ中心で処理したい
  • 消費税は免税で当面は変わらない

立ち止まったほうがいい人

  • 仕訳を自分で組み立てたい
  • 顧問税理士がfreee非対応
  • 連携したい口座が多い
  • 部門別の管理会計を安く実現したい
  • すでに別ソフトで問題なく回っている

判断が割れる場合は、いきなり本番データを移さず、同じ取引を候補のソフトへ入力して比べます。日常的に繰り返す操作で迷わないか、必要な集計を確認できるかを見ると、宣伝文句だけでは分からない相性が見えてきます。

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乗り換える前に試せること

導入を決める前に、お試しプランで実際の画面を触ってください。ただし、お試し中に閲覧・編集できる取引データと請求書類は、直近1か月に登録したものに限られます。確定申告書類も入力まではできますが、出力はできないため、本番運用と同じ状態をすべて確認できるわけではありません。

試すときは、説明用の架空データではなく、実際の明細を1か月分だけ入れてみます。自分の取引が「自動で経理」にどう表示され、候補の勘定科目を迷わず選べるかを確かめてください。口座やカードを普段の流れに近い形で扱うと、毎月続けられる操作かどうかを判断しやすくなります。

別ソフトから乗り換える場合も、すべてを移す前に小さく試すことが大切です。入力の速さだけでなく、登録後の仕訳や集計を自分と税理士が確認しやすいかまで見ます。違和感が強ければ、契約前なら元の運用へ戻す判断もしやすくなります。

TIP / 判断を早める方法

ソフト選びで迷ったら、比較記事を読むより「自分の口座を1か月分入れてみる」ほうが早く結論が出ます。

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よくある質問

導入前によく出る疑問を、操作の相性、乗り換え、プラン変更、解約後のデータという観点で整理します。契約だけを急がず、現在の運用と将来必要になる処理の両方を確認してください。

freeeは初心者向けと聞きましたが本当ですか?

簿記を知らない方が申告まで到達しやすい、という意味では本当です。逆に簿記を学んだ方には遠回りに感じられることがあります。

途中でマネーフォワードに乗り換えられますか?

できます。期首に合わせると移行作業が最小で済みます。

安いプランで始めて後から上げても大丈夫ですか?

問題ありません。むしろ最小構成で始めて、必要になってから上げるほうが無駄がありません。

解約したら過去のデータは消えますか?

データ自体は保存されていますが、プラン未契約の状態では閲覧・編集ができません。解約前に必要な帳簿をPDFやCSVで出力しておいてください。

freeeが合うか、導入前に整理しませんか。

つくば税理士事務所では、現在の取引量や運用方法を踏まえて、freeeのプラン選びと初期設定をサポートしています。導入後の税理士連携まで見据えて相談できます。

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ABOUT ME
佐藤
佐藤
税理士・公認会計士
東京都立大学(旧・首都大学東京)を卒業後、KPMGあずさ監査法人に入所。銀行・証券会社をはじめとする日系金融機関を中心に、監査業務に従事してまいりました。その後、茨城県つくば市にて税理士事務所を開設し、現在に至ります。
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