freee会計のファイルボックスと電子帳簿保存法対応|レシート・領収書の保存方法
レシートや領収書をファイルボックスに入れて取引に紐づけておけば、電子帳簿保存法が求める保存の形に沿った運用ができます。ただし注意点がひとつ。個人のスタータープランはファイル保存が月5枚までで、レシートが多い事業ではまず足りません。この記事では、保存のルールとプランごとの上限、紙の原本を捨ててよい条件を整理します。
監修:佐藤公認会計士・税理士事務所/最終更新 2026-08-27
ファイルボックスは「証憑の置き場所」
ファイルボックスは、レシートや請求書といった証憑をfreeeの中にためておく場所です。スマートフォンで撮影する、メールを転送する、パソコンからドラッグ&ドロップする、という3つの入れ方があります。取り込むとOCRで日付・金額・取引先が読み取られ、そのまま取引の登録に進めます。
大事なのは、取り込んだファイルを取引や仕訳に紐づけておくことです。ためるだけでは検索できるフォルダが増えただけになります。仕訳から証憑をたどれる状態、逆に証憑から仕訳をたどれる状態にしておくのが目的です。
この状態ができていると、税務調査で「この経費の内容は」と聞かれたときに、その場で画面を見せて終わります。段ボール箱を探す時間がなくなるのが、いちばん実感しやすい効果です。
日々の運用では、証憑を受け取ったらファイルボックスへ入れ、読み取られた内容を確認し、対応する取引へ紐づけるところまでを一続きの作業にします。取り込みだけを先にためると、後からどの取引に対応するのかを思い出す時間が増えます。実務では、処理済みの証憑と未処理の証憑が混ざり、同じ支払いを重ねて登録してしまうケースもあります。登録後に仕訳から証憑を開けることまで確かめると、処理の抜けと重複を見つけやすくなります。
プランで保存できる量が違う
| プラン | ファイル保存の上限 |
|---|---|
| スターター | 月5枚まで |
| スタンダード以上 | 月10GBまで |
| お試しスターター | 月5枚まで |
| お試しスタンダード・お試しプレミアム | 月15枚まで |
※2026年8月時点の公式ヘルプセンター記載の内容です。最新の内容は必ず公式サイトでご確認ください。出典:【個人】freee会計のプランについて
月5枚は「試しに使う」量です。レシートを日常的に取り込むなら、スタンダード以上を前提に考えてください。
プランごとの料金と機能差はfreee会計 個人事業主向け料金プランにまとめています。
電子帳簿保存法で押さえるのは2つだけ
電子帳簿保存法は範囲が広く、全部を理解しようとすると手が止まります。実務で毎日влия関わるのは次の2つだけです。
電子取引データの保存(義務)
メールやWebサイトで受け取った請求書・領収書のデータは、データのまま保存する必要があります。紙に印刷して保存するだけでは要件を満たしません。ネット通販の領収書が典型です。
スキャナ保存(任意)
紙で受け取った領収書をスキャンまたは撮影して保存する方法です。要件を満たせば紙の原本を廃棄できますが、あくまで任意の制度で、紙のまま保管し続けても構いません。
「電子で受け取ったものはデータのまま」「紙で受け取ったものは紙のままでもよい」。まずこの切り分けから始めると迷いません。
運用を決めるときは、受け取った経路ごとに保存先を分けて考えると整理しやすくなります。メールやWebで受け取ったファイルは、その場でファイルボックスへ入れ、紙で受け取ったものは社内の保管方法に沿って扱います。担当者ごとに判断が違うと、同じ種類の証憑が別々の場所へ散らばります。実務では、受け取った人が迷わず同じ手順を選べるよう、保存から取引への紐づけまでを短いルールとして共有しておくと安定します。
検索要件と改ざん防止
電子取引データを保存するときに求められるのが、検索できる状態にしておくことです。具体的には、取引年月日・取引金額・取引先で探せるようにしておく必要があります。
もうひとつが改ざん防止の措置です。訂正や削除の履歴が残るシステムで保存するか、自社で事務処理規程を定めて運用するか、いずれかの対応が必要になります。
freeeのファイルボックスで取引に紐づけて管理していれば、日付・金額・取引先から探せる状態が自然にできあがります。検索性の要件に沿った運用がしやすいのはこのためです。
保存を始めたら、実際に取引年月日・取引金額・取引先を手掛かりに目的の証憑へたどれるかを確認します。入力欄が埋まっていても、読み取り違いが残っていれば検索で見つからないことがあります。見つからないときはファイル名だけを探すのではなく、取引への紐づけと読み取られた内容を順に見直してください。実務では、保存した直後に検索まで試しておくと、決算や確認の場面で資料を探し直す負担を減らせます。
※電子帳簿保存法の要件は事業者の状況によって異なります。判断に迷う場合は所轄の税務署または税理士にご確認ください。
紙の領収書はいつ捨てられるか
「撮影したから捨てていい」と考えてしまいがちですが、そうではありません。紙の原本を廃棄できるのは、スキャナ保存の要件を満たしている場合に限られます。入力期間、解像度と階調、タイムスタンプまたは訂正削除の履歴が残るシステムの利用、そして検索要件。これらを満たして初めて、原本を手放せます。
要件を満たさないまま捨ててしまうと、後から内容を証明する手段がなくなります。取引先に再発行を頼めるとは限りません。
判断に迷う証憑は、要件を確認できるまで原本を保管し、ファイルボックス上でも取引との対応が分かる状態にしておきます。廃棄の判断を受け取った担当者だけに任せると、社内で扱いがばらつきます。実務では、保存状態をまとめて確認し、不足があるものだけを差し戻せる流れにしておくと安全です。原本を手放す前に、画面上の証憑が開けて内容を読めることも確認してください。
迷ったら「捨てない」。保管コストより、証拠が無いことのコストのほうがはるかに高くつきます。
よくある質問
レシートを撮影すれば紙は捨てていいですか?
スキャナ保存の要件を満たしている場合に限られます。要件を確認せずに廃棄するのは避けてください。
月5枚を超えたらどうなりますか?
スタータープランのファイル保存上限は月5枚です。それ以上取り込む必要があるならスタンダード以上への変更を検討してください。
メールで届いたPDFの請求書はどう保存しますか?
電子取引にあたるため、データのまま保存する必要があります。ファイルボックスに取り込んで取引に紐づけてください。
OCRの読み取りが間違っていたら?
取り込み後に金額や日付を修正できます。読み取り結果をそのまま登録せず、必ず確認してください。

