つくばで法人を設立したら最初の30日・3か月にやること|税務・社会保険・記帳準備
会社を設立した後の手続きは、すべて「30日以内」ではありません。社会保険は事実発生から5日以内、給与支払事務所の届出は開設から1か月以内、法人設立届出書は設立後2か月以内、青色申告は設立日と第1期末の関係で期限が変わります。
この記事では、つくば市で株式会社や合同会社を設立した方を想定し、最初の30日と3か月に分けて整理します。役員だけの会社、従業員を雇う会社、設立第1期が短い会社では必要書類と期限が異なるため、自社に当てはまる項目だけを確認してください。
最初に見る期限一覧

| 時期 | 主な手続き | 対象 |
|---|---|---|
| 事実発生から5日以内 | 健康保険・厚生年金保険 新規適用届など | 原則として法人事業所。代表者のみの場合を含む |
| 従業員を雇ってから10日以内等 | 労働保険の保険関係成立届、雇用保険適用事業所設置届 | 労働者を雇用した会社。役員のみなら通常は対象外 |
| 開設から1か月以内 | 給与支払事務所等の開設届出書 | 役員報酬・給与を支払う事務所 |
| 設立から2か月以内 | 税務署への法人設立届出書、茨城県への法人の設立等に関する申告書、必要なら事前確定届出給与 | 新設法人/事前確定届出給与を使う法人 |
| 設立後3か月経過日と第1期末の早い方の前日まで | 青色申告の承認申請書 | 第1期から青色申告を希望する法人 |
「最初の30日・3か月」は行動計画の区切りです。実際の期限は上表のとおり書類ごとに違います。休日等に当たる場合の扱いや個別事情もあるため、提出前に各官公庁の最新案内を確認してください。
設立直後:登記情報と会社の基本事項をそろえる
登記が完了したら、履歴事項全部証明書、定款、法人番号、会社の本店所在地、事業年度、資本金、役員、設立日を一つの一覧にします。税務署、自治体、年金事務所、金融機関、会計ソフトで同じ情報を使うためです。
同時に、役員報酬を支給するか、従業員を雇うか、インボイス登録を行うか、設立第1期の決算日がいつかを確認します。この4点で必要な届出や準備が変わります。
社会保険:加入要件を満たした事実発生から5日以内
日本年金機構は、常時従業員を使用する法人事業所を健康保険・厚生年金保険の適用事業所とし、事業主のみの場合も含むと案内しています。新規適用届の提出時期は、加入要件を満たした事実発生から5日以内です。
新規適用届だけでなく、被保険者資格取得届や被扶養者に関する届出が必要になることがあります。役員報酬をまだ決めていない、別会社でも社会保険に加入しているなどの場合は、年金事務所や社会保険労務士へ確認してください。
税理士は税務・会計を担当しますが、社会保険・労働保険の手続代理は社会保険労務士の専門領域です。当事務所への相談時も、必要に応じて役割を分けて進めます。
従業員を雇う場合:労働保険と雇用保険
役員だけの会社と、従業員を雇う会社では手続きが異なります。労働者を雇用して労働保険の適用事業となった場合、一元適用事業では保険関係成立届を成立日の翌日から10日以内、概算保険料申告書を50日以内に提出します。
雇用保険の適用事業となる場合は、適用事業所設置届を設置日の翌日から10日以内、被保険者資格取得届を資格取得日の翌月10日までに提出します。建設業など二元適用事業は提出先と手順が異なります。
1か月以内:給与支払事務所の届出
役員報酬や従業員給与を支払う事務所を開設した場合、給与支払事務所等の開設届出書を、開設の事実があった日から1か月以内に所轄税務署へ提出します。
給与から源泉所得税を預かった後は納付も必要です。常時10人未満の給与支払者は、承認を受けると源泉所得税を年2回にまとめて納付できる「納期の特例」があります。会社の人数と資金管理に合うかを確認して申請します。
2か月以内:法人設立届と役員報酬関係
法人設立届出書は、原則として設立の日以後2か月以内に納税地の所轄税務署へ提出します。定款等の写しなど必要書類を確認してください。
役員へ通常の月額報酬とは別に賞与を支給し、税務上の損金算入を検討する場合は、事前確定届出給与に関する届出書が関係します。新設法人の提出期限は、国税庁の案内では設立の日以後2か月を経過する日までです。実際の支給設計を決めずに書類だけ出すものではないため、株主総会等の決議、支給日、金額を含めて事前に確認します。
3か月以内ではなく「第1期末との早い方」:青色申告
設立第1期から青色申告の承認を受ける場合、提出期限は「設立の日以後3か月を経過した日」と「設立第1期の事業年度終了の日」のうち、いずれか早い日の前日までです。
たとえば第1期が2か月しかない会社は、単純に設立後3か月まで待てません。会社の決算日を確認し、期限をカレンダーに入れてください。
つくば市・茨城県への法人設立届
つくば市内に事務所や事業所を設けた法人は、法人市民税の対象となり、「法人の設立等に関する申告書」を提出します。つくば市公式ページでは、設立・設置の場合の添付書類として登記簿謄本の写しと定款等の写しを案内しています。
つくば市の公開ページでは、市への設立届自体の具体的な提出期限を確認できなかったため、市民税課へ提出時期を確認してください。
茨城県への「法人の設立等に関する申告書」は、設立等の日から2か月以内に、所在地を管轄する県税事務所へ提出します。登記簿謄本の写しと定款の写しが必要です。
法人市民税の確定申告・納付は、原則として事業年度終了日の翌日から2か月以内です。これは設立届の期限とは別です。
最初の30日に会計の入口を作る
届出と並行して、次の会計準備を進めます。
- 法人名義の銀行口座とカードを決める
- 設立前に代表者が立て替えた費用を一覧にする
- 資本金の入金と設立後の支出を区別する
- 請求書の発行日、入金日、保存場所を決める
- 会計ソフトの事業年度、開始残高、消費税設定を確認する
- 領収書・請求書を誰がいつ保存するか決める
会計ソフトは、料金だけでなく年間仕訳数、利用人数、給与計算、税理士との共有方法で選びます。ひとり法人向け会計ソフト3社の比較も参考にしてください。
3か月までに月次の流れを一度回す
設立から3か月までには、1か月分の記帳、請求、入金確認、給与・役員報酬、源泉所得税、証憑保存を一度通して実行します。決算時にまとめて直すのではなく、早い段階で不明点を洗い出すためです。
特に確認したいのは、役員個人の支払いと会社経費が混ざっていないか、売上計上日が請求日や入金日だけで決まっていないか、消費税区分が初期設定のままになっていないかです。
融資を予定している場合は、資金繰り表と試算表を作れる状態にします。補助金は交付決定前の契約・支出が対象外になる制度もあるため、支出前に公式要領を確認してください。
自分で行う範囲と専門家へ依頼する範囲
| 内容 | 主な相談先 |
|---|---|
| 登記内容・会社設立登記 | 司法書士 |
| 税務届出、役員報酬の税務、記帳、申告 | 税理士 |
| 社会保険、労働保険、就業規則 | 社会保険労務士 |
| 許認可 | 行政書士または所管行政機関 |
つくば税理士事務所では、設立後の税務届出、会計ソフトの初期設定、記帳、法人税・地方税の申告を支援しています。社会保険や登記など他士業の専門範囲は、必要な窓口を整理して進めます。
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公式出典
- 国税庁 No.5100 新設法人の届出書類
- 国税庁 給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出
- 日本年金機構 新規適用の手続き
- 厚生労働省 労働保険の成立手続
- つくば市 法人市民税
- 茨城県 法人の設立等に関する申告書
確認日:2026年10月3日。個別事情や制度改正で必要書類・期限が変わる場合があるため、提出前に公式案内と所管窓口で確認してください。

