請求書業務、まだExcelと郵送で消耗していませんか?─クラウド請求書ソフトという選択肢
毎月末になると、Excelのひな形を開いて取引先ごとに金額を打ち込み、PDFにして、印刷して、封筒に入れて、切手を貼って投函する。そんな請求業務に、月に何時間かけているでしょうか。
顧問先の皆さまとお話ししていると、「本業は忙しいのに、月末は請求書づくりで半日つぶれる」というお声を本当によく伺います。
今回は、そうした請求業務の負担を軽くする「クラウド型の請求書作成ソフト」について、導入を検討する際の視点を整理してご紹介します。
こんなお悩みはありませんか
- 取引先ごとにExcelファイルを開いて、毎月ほぼ同じ内容を手入力している
- 消費税率や登録番号の記載を、請求書ごとに確認するのが負担
- 「あの会社、今月請求書を出したっけ?」と発行漏れが不安になる
- 入金があったかどうかを、通帳と請求書控えを突き合わせて確認している
- 印刷代・郵送代が地味に積み上がっている
- 法改正のたびに、ひな形を作り直している
ひとつでも当てはまるなら、ソフトの導入を検討する価値は十分にあります。
請求書作成ソフトとは
ひとことで言えば、見積書・納品書・請求書・領収書の作成から送付、保管までをオンラインで完結させるためのツールです。
用意されたテンプレートに、登録済みの取引先と品目を選んで入力するだけで書類ができあがります。見積書から納品書へ、納品書から請求書へと、ワンクリックで変換できる機能を備えたものも多く、同じ内容を何度も入力し直す必要がなくなります。
代表的なサービスとしては「マネーフォワード クラウド請求書」「freee」「board」などがあり、個人事業主向けの安価なプランから、従業員数の多い企業向けのプランまで幅広く用意されています。
導入で得られる3つのメリット
1. 作成時間そのものが減る
最も分かりやすい効果がこれです。取引先情報や品目はマスタから呼び出すだけ。毎月同じ内容を請求している顧問先であれば、**定期請求(毎月自動作成)**の設定をしておくことで、発行作業そのものをほぼゼロにできます。
取引先数が多い場合は、CSVファイルから一括で請求書を作成できる機能を持つソフトもあり、数十件・数百件の請求書を一度に生成することも可能です。
2. 発行漏れ・回収漏れを防げる
多くのソフトには、請求書ごとのステータス管理機能があります。「下書き」「送付済」「入金済」といった状態が一覧で見えるため、
- 発行し忘れている取引先はないか
- 入金期日を過ぎているのに未入金の請求はないか
がひと目で分かります。売掛金の滞留に早く気づけるという意味で、これは資金繰りの改善にも直結します。Excel管理では、どうしてもここが属人的になりがちです。
3. 法改正への対応をソフト側に任せられる
インボイス制度、電子帳簿保存法と、ここ数年は請求書のフォーマットや保存方法に関わる改正が続きました。そのたびにExcelのひな形を作り直された方も多いのではないでしょうか。
クラウド型のソフトであれば、制度改正への対応が随時アップデートで反映されるため、利用者側で様式を作り直す必要は基本的にありません。登録番号の自動表示や、複数税率への対応も標準機能として備わっています。買い切り型のパッケージソフトと違い、追加費用なしで最新の状態が保たれる点は、クラウドの大きな利点です。
コスト面をどう見るか
「ソフト代がかかるのでは」というご質問をよくいただきます。ここは、現在かかっている見えないコストと比較するのがポイントです。
紙で郵送している場合、1通あたり用紙代・インク代・封筒代・切手代で100円前後、これに印刷・封入・投函の人件費が乗ります。月50通なら郵送費だけで年間6万円前後。メール送信に切り替えれば、この部分は大きく圧縮できます。
料金は、個人事業主向けなら月額1,000円前後から、法人向けでも月額数千円程度からというのが相場感です(年払いにすると割安になるサービスが多くあります)。具体的な金額やプラン内容は改定されることがありますので、必ず各サービスの公式サイトで最新情報をご確認ください。
会計ソフトとの連携が、実は一番効きます
当事務所として特にお勧めしたいのが、会計ソフトと同じシリーズで揃えるという考え方です。
請求書を発行した時点で売掛金の仕訳が自動作成され、入金消込の処理とステータスが連動する。この連携が効くと、請求業務と記帳業務が別作業ではなくなります。顧問先にとっては入力の手間が減り、私たち事務所側も、月次の数字をより早く・正確に把握できるようになります。結果として、試算表のご提出も早まります。
導入前に確認しておきたいポイント
導入して「思っていたのと違った」とならないよう、次の点は事前に確認しておきましょう。
- 無料トライアルで実際の画面を触る
多くのサービスが1ヶ月程度の無料期間を設けています。日常的に発行する書類が、実際に問題なく作れるか試してください。 - 必要な帳票が揃っているか
見積書・納品書・領収書まで必要か、請求書だけでよいかで、選ぶプランが変わります。 - 利用人数とアカウント数
経理担当が複数名いる場合、安価なプランでは人数上限に引っかかることがあります。 - 既存システムとの連携可否
販売管理システムをお使いなら、API連携やCSV取込に対応しているかを確認してください。 - 電子保存の要件を満たせるか
電子帳簿保存法の要件(真実性・可視性の確保)を満たす形で保存できるかは要チェックです。なお、郵送した請求書を電子データとして保存する場合には、事前に税務署への届出が必要となるケースがありますので、この点はお声がけください。 - 社内フローの整理
ツールを入れるだけでは効率化しません。誰が作成し、誰が承認し、どのタイミングで送付するのか。導入を機に、業務の流れそのものを見直すことをお勧めします。
まとめ
請求書業務は、毎月必ず発生し、しかも直接利益を生まない業務です。だからこそ、仕組みで解決する効果が大きい領域だと考えています。
- 作成時間が減り、本業に時間を回せる
- 発行漏れ・回収漏れが防げ、資金繰りが安定する
- 法改正への対応をソフトに任せられる
- 会計ソフトと連携すれば、記帳まで一気通貫になる
「うちの規模だとどのプランが合うのか」「今の業務フローのまま移行できるのか」といったご相談は、【事務所名】までお気軽にお寄せください。顧問先の皆さまの業種・取引件数・体制をふまえて、最適な組み合わせをご提案いたします。導入時の初期設定についても、必要に応じてサポートさせていただきます。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事案への適用を保証するものではありません。サービスの料金・機能は各社の公式情報をご確認ください。

