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M&A・事業承継

高く売れる会社説明資料(IM)の作り方!買い手の心を掴む情報開示のコツ

佐藤

こんにちは!

「会社を売りたいけど、自社の魅力をどうやって伝えればいいんだろう…」

M&Aの手続きに入ると、こんな悩みにぶつかる経営者の方はとても多いと言われています。

自社のことは一番よくわかっているはずなのに、いざ「買い手に伝わるように資料にまとめてください」と言われると、何をどう書けばいいのか途方に暮れてしまうんですよね。

実は、M&Aの成否を左右する重要資料があります。それがIM(インフォメーションメモランダム)と呼ばれる会社説明資料です。

このIMの出来で、買い手の食いつきも、提示される買収価格も大きく変わってきます。

この記事では、IMの基本から具体的な作り方のコツまでを順を追って解説していきます。

この記事でわかること

  • IM(インフォメーションメモランダム)とは何か、なぜ重要なのか
  • 仲介業者に丸投げすると起こりがちな問題点
  • 買い手の心を掴むIMを作るための5つのコツ
  • 実践で使える章構成やビジュアルの工夫
  • IMの完成度を高めるためのチェックポイント

焦らなくて大丈夫です。ひとつずつ、順番に見ていきましょう。

そもそもIM(インフォメーションメモランダム)とは?

まず基本的なところから整理しましょう。

IM(インフォメーションメモランダム)とは、

ざっくり言うと「会社を売るときの商品パンフレット」です。

買い手候補が「この会社を買収するかどうか」を検討するために使う、最も重要な資料になります。

たとえば家を売るときのことを想像してみてください。

間取り図も写真もなく「良い家です、買ってください」と言われても判断できないですよね。

買い手は、

  • 立地や築年数
  • 設備の状態
  • 周辺環境など

具体的な情報があって初めて「買いたい」と思えるものです。

M&AにおけるIMもまったく同じ役割を果たしています。

会社の事業内容、財務状況、組織体制、強みと課題など、買い手が判断に必要な情報を網羅的にまとめた資料がIMなのです。

ここで大事なポイントがあります。

買い手は情報がなければ買収の判断ができません。どんなに素晴らしい会社であっても、その魅力がIMに書かれていなければ、買い手には伝わらないということです。

つまりIMは、M&Aの成否を分ける「最重要資料」と言っても過言ではないんですよね。

なぜ「仲介業者まかせ」ではダメなのか

「IMなんて仲介業者が作ってくれるんじゃないの?」

こう思われる方も多いかもしれません。

確かに、多くのM&A仲介会社がIMの作成を代行してくれます。

しかし、ここに落とし穴があると言われています。

仲介業者に丸投げしてしまうと、どの会社でも使えるような定型的で薄い内容になりがちです。

決算書の数字をそのまま貼り付けて、事業内容を簡単に説明しただけ。こんなIMでは、買い手の心は動きません。

なぜこうなるかというと、理由はシンプルです。

  1. リソースの限界: 仲介業者は多くの案件を同時に抱えており、一件一件に時間をかけてオーダーメイドのIMを作る余裕がないケースが多い。
  2. 情報の深さ: 仲介業者はあくまで「仲介のプロ」であり、その会社のビジネスに一番詳しいのは経営者自身である。

現場のリアルな強みや、数字には表れない経営資源の価値を知っているのは、他でもない売り手側なんですよね。

だからこそ、IMの作成では経営者自身が積極的に関与することが重要になってきます。

仲介業者と二人三脚で、自社ならではの魅力を盛り込んでいく姿勢が大切です。

買い手はIMのどこを見ているのか

IMを上手に作るには、まず「買い手の目線」を理解しておく必要があります。

買い手が知りたいのは、大きく分けて次の3つだと言われています。

  1. この会社の利益は何によって生まれているのか
    売上や利益の数字だけでなく、それを生み出している「仕組み(源泉)」に興味があります。
  2. その利益は買収後も続くのか
    経営者が交代しても、今の利益水準は維持できるのか。特定の社長の人脈や能力に依存していないか。
  3. 自社が買収したらさらに伸ばせるのか
    自社のリソースと組み合わせることで、さらに成長させられるか(シナジー効果)。

この3つの視点を意識しながらIMを作ると、買い手に刺さる資料になっていきます。

買い手の心を掴むIM作成の5つのコツ

ここからが本題です。魅力的なIMを作るための5つのコツを、具体的に見ていきましょう。

コツ❶:経営資源を意識して「強みの源泉」を明確にする

IMで最も大事なのは、「なぜこの会社は利益を出せているのか」を経営資源のレベルまで掘り下げて説明することです。

具体的には次のような「武器」を明確にします。

  • 立地: 駅前の好立地、特定エリアでの知名度
  • 技術力: 独自の製造ノウハウ、特許や専門技術
  • 人材: 熟練の職人、優秀な営業チーム、有資格者
  • 顧客基盤: 長年の取引関係、安定したリピーター
  • ブランド: 地域での信頼、業界内での評判

極端な例ですが、「年商3億円の飲食チェーン」とだけ書くのではなく、

「駅前一等地に3店舗を構え、平均勤続8年のベテランスタッフが在籍し、地域のリピーター比率が65%を超えている飲食チェーン」と書くほうが、利益の源泉がはっきり伝わります。

コツ❷:ファクトベースに徹して「主観」を書きすぎない

主観的なアピールは逆効果になりやすいため、客観的な事実とデータ(ファクト)を並べることが大切です。

  • NG例: 「当社の技術力は業界トップクラスです」
  • OK例: 「主力製品の不良品率は0.3%で、業界平均の2.1%を大きく下回っています」
  • NG例: 「従業員の定着率が非常に高いです」
  • OK例: 「直近3年間の平均離職率は4.2%で、同規模企業の平均12.8%と比較して低い水準です」

数字で語ると、説得力がまるで変わってきます。

コツ❸:「安心」か「対策立案」に誘導する

強みについては「安心感」を、弱みについては「改善の余地(伸びしろ)」を感じさせる書き方をします。

  • 強みの見せ方(安心感): 「主要取引先との契約は平均15年以上継続しており、直近5年間で取引先の離脱はゼロ件です」
  • 弱みの見せ方(対策立案): 「現在のWebマーケティングは未着手の状態です。デジタル施策の導入により、さらなる売上拡大の余地があると考えられます」

ネガティブな情報を隠すのではなく、買い手が「自分たちならこう解決できる」と対策を思いつけるように書くのがポイントです。

コツ❹:図解やグラフを多用して視覚的に伝える

文章はあくまで補足として使い、視覚的に理解できる構成を心がけます。

  • 売上・利益の推移: 折れ線グラフや棒グラフでトレンドを表示
  • 売上構成比: 円グラフで事業セグメントを可視化
  • 商流: フロー図でビジネスの流れを明示
  • 組織体制: 組織図で人員配置を明確化

「パラパラとめくるだけで会社の全体像が掴める」のが良いIMの条件です。

コツ❺:章構成を工夫して「自社らしさ」を際立たせる

すべての項目を均等に書くのではなく、自社の強みがある章を厚くする「メリハリ」が重要です。

【一般的なIMの章構成例】

  1. 会社概要: 基本情報、沿革
  2. 事業内容: 商品・サービスの説明、商流
  3. 組織・人材: 組織図、キーマンの紹介
  4. 財務情報: 損益推移、貸借対照表のポイント
  5. 市場環境: 業界動向、競合との位置づけ
  6. 強みと成長機会: 経営資源の分析、シナジーの可能性
  7. 譲渡の概要: 希望条件、スケジュール

IMの完成度を高めるためのチェックポイント

5つのコツを押さえたら、最後に全体をチェックしましょう。

  • 事実と意見を混同していないか: すべての記述がデータや事実に基づいているか。
  • 買い手が知りたい情報は網羅されているか: 買い手の立場で「判断材料」が揃っているか。
  • ネガティブ情報を隠していないか: 事前に開示することで信頼関係を構築できているか。
  • 読みやすい構成になっているか: 図解やグラフが適切に配置されているか。
  • 仲介業者と認識のズレがないか: 自分の目で最終チェックを行ったか。

実践への落とし込み:IM作成の3ステップ

  1. 自社の経営資源を棚卸しする:「立地」「人材」「技術」など、利益の源泉になっているものを思いつく限り書き出します。
  2. 数字とデータを集める:棚卸しした強みを裏付ける客観的な数字(リピート率、離職率など)を揃えます。
  3. 仲介業者と一緒にIMを仕上げる:素材をもとに、仲介業者のフォーマットに「自社の色」をしっかり乗せていきます。

おわりに

IM(インフォメーションメモランダム)は、M&Aにおいて売り手の魅力を買い手に伝える「商品パンフレット」です。

その出来が買収価格にも、買い手の数にも直結します。

「仲介業者に任せておけば大丈夫」と思わず、自社の魅力は自分自身の言葉で伝えるという意識が何より大切です。

完璧なIMを最初から作る必要はありません。まずは自社の経営資源の棚卸しから始めてみてください。

一歩ずつ、着実に進めていきましょう。

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税務に関する実務の勉強記録を残しています。法人税・所得税・消費税・相続税を中心に、業種別のビジネスについても学んでいます。 ※このサイトに記載している内容は、一般的な情報提供であり、個別具体的な事例に関する相談は専門家へご相談ください。
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