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M&A・事業承継

悪質なM&A仲介業者に騙されない!失敗しない選び方6つのポイント

佐藤

「M&Aで会社を売ろうと思っているけど、どの業者に頼めばいいのかわからない…」

こういった声は、M&Aを検討し始めた経営者の方からよく聞かれます。

実はM&A業界には、売り手の利益よりも自社の手数料を優先する業者も少なくありません。

初めてのM&Aで右も左もわからない状態だと、気づかないうちに不利な条件で話が進んでしまうこともあるんですよね。

でも、安心してください。

業者を見極めるポイントさえ押さえておけば、失敗のリスクはぐっと下がります 🙌

この記事でわかること

  • M&A仲介業者の構造的な問題(両手取引・利益相反)の基本
  • 悪質な業者を見分けるための具体的な6つのチェックポイント
  • 手数料で損をしないための比較方法
  • 契約で注意すべき「専任期間」と「テール条項」の落とし穴
  • 実際にありがちなトラブル事例

この記事の全体像

この記事は、大きく4つのパートで構成しています。

まず「知っておくべき基礎」として、M&A仲介業者のビジネスモデルや利益相反の仕組みを解説します。

ここを理解しておくだけで、業者の提案を冷静に見る力がつきます。

次に「6つのポイント」として、業者選びで必ずチェックすべき基準を具体的にお伝えしていきます。

その後「ありがちなトラブル事例」で、実際にどんな問題が起きているのかを紹介します。

最後の「おわりに」では、記事全体の要点と次のアクションをまとめています。

気になるパートだけ読んでいただいても大丈夫ですよ 😊

知っておくべき基礎:M&A仲介業者のビジネスモデル

業者選びの話に入る前に、まずM&A仲介業者がどういう立場なのかを押さえておきましょう。

ここを知っているだけで、業者との付き合い方がまったく変わってきます。

「両手取引」とは何か

M&A仲介業者の多くは「両手取引」というスタイルで仕事をしています。これはざっくり言うと、売り手と買い手の両方から手数料をもらう仕組みです。

不動産でたとえると、売主と買主の両方から仲介料をもらう不動産屋さんをイメージするとわかりやすいかもしれません。

一見すると効率的に見えますが、ここに落とし穴があります。

「利益相反」が生まれる構造

売り手は「できるだけ高く売りたい」と思っています。

一方で買い手は「できるだけ安く買いたい」と考えるのが普通ですよね。

この正反対の要望を、1つの仲介業者が同時に満たすのは構造的に難しいわけです。

これが「利益相反」(りえきそうはん)と呼ばれる問題になります。

たとえるなら、サッカーの試合で両方のチームの監督を1人が兼任しているようなものです。

どちらかに有利な作戦を立てれば、もう片方が不利になってしまいますよね。

「効率重視」の業者に注意

仲介業者の収益は、基本的にM&Aが成立したときの成功報酬です。

そのため「とにかく早く成立させたい」という動機が働きやすい構造になっています。

売り手にとってベストな相手を時間をかけて探すよりも、手っ取り早くまとまる相手で話を進めようとする業者も存在します。

こうした業界の構造を知っておくことが、情報弱者にならないための第一歩です。

失敗しない業者選び 6つのポイント

それでは、具体的にどうやって業者を見極めればよいのか。ここからは実践的な6つのポイントを解説していきます。

ポイント1:2〜3社を比較して選ぶ

最初から1社に決め打ちするのは、あまりおすすめできません。

M&Aの仲介業者は、会社によって得意な業種や規模、提案の方針がかなり異なります。

最低でも2〜3社に相談して、提案内容や担当者の対応を比べてみてください。

比較するだけで「あ、この業者の提案はちょっとおかしいかも」と気づけることがあります。

家電を買うときだって、いくつかの店で価格や保証を比べますよね。

会社の売却は人生で最も大きな取引のひとつですから、なおさら比較検討が大事です。

ポイント2:進め方を具体的に確認する

「お任せください」の一言で進め方の説明が曖昧な業者には注意が必要です。

具体的には、以下のような点を確認しましょう!

  • 入札形式か相対交渉か: 複数の買い手に競ってもらう入札形式なのか、1社ずつ交渉する相対交渉なのかで、売却価格に大きな差が出ます。
  • ノンネームシート(匿名の企業概要書)の取り扱い: 自社の情報を、許可なく広範囲にばらまかないかどうかを確認してください。
  • 情報開示の範囲: どの段階で、どこまでの情報を誰に出すのかを明確にしてもらいましょう。

進め方をきちんと説明できる業者は、それだけで信頼度が上がります 👍

ポイント3:事業を「数字の向こう側」まで見ているか

業者の担当者が、決算書の売上や利益の数字だけに注目していないかをチェックしてみてください。

良い担当者は、数字の裏にあるビジネスの強みに関心を持ちます。

たとえば、

  • なぜこの地域でシェアが高いのか
  • 従業員のスキルや定着率はどうか
  • 取引先との関係性はどう築かれてきたか

といった質問をしてくるはずです。

逆に「年商いくらですか?利益はどれくらいですか?」だけで話を進めようとする担当者は、効率重視で案件をさばいている可能性があります。

自分の会社を「商品」としてしか見ていない担当者に、大切な会社を任せたくはないですよね…

ポイント4:手数料は「3つのシナリオ」で比較する

M&A仲介の手数料は、業者によって計算方法や料金体系がバラバラです。

「成功報酬○%」と言われても、それだけでは本当のコストはわかりません。

そこで、以下の3つのシナリオで手数料のシミュレーションを依頼してみてください。

  1. シナリオ1:M&Aが成功したとき: 成功報酬はいくらになるか。計算の基準額は何か(移動総資産なのか株式価値なのか)。
  2. シナリオ2:交渉が破談になったとき: 途中でかかった着手金や月額報酬は返ってくるのか。
  3. シナリオ3:買い手が見つからなかったとき: 相手が見つからないまま時間だけが過ぎた場合、費用はどうなるのか。

この3パターンを出してもらえれば、業者ごとの本当のコスト差が見えてきます。

ちなみに、この質問をしたときに嫌な顔をする業者は、それだけで要注意です

ポイント5:専任期間が長すぎないか確認する

仲介契約を結ぶ際、「専任契約」を求められることがあります。これは契約期間中、他の業者に依頼してはいけないというルールのことです。

専任契約そのものは珍しくありませんが、問題はその期間です。

1年を超えるような長期の専任契約を結ばせようとする業者には、慎重になりましょう。

もし業者の動きが悪くても、契約期間中は他の業者に切り替えられないからです。

目安としては、専任期間は6か月程度が一般的と言われています。

また、中途解約の条件についても、契約前にしっかり確認しておくことが大切です。

ポイント6:テール条項の内容を確認する

「テール条項」という言葉は聞き慣れないかもしれません。

これは、仲介契約が終了した後でも、一定期間内にM&Aが成立した場合は手数料を支払うというルールです。

たとえば、A社という仲介業者との契約を終了した後、自分で見つけた買い手と直接話をまとめたとします。

このとき、テール条項の期間内であれば、A社に成功報酬を支払わなければならないケースがあるんですよね。

テール条項自体は業者の正当な権利を守る面もありますが、期間が2年や3年と長すぎる場合は問題です。

契約前に「テール期間は何か月か」「対象となる買い手はどこまでか」を必ず確認してください。

ここを見落とすと、契約終了後に思わぬ出費が発生することになりかねません 😥

ありがちなトラブル事例

ここからは、実際に起こりがちなトラブルのパターンをいくつか紹介します。

「自分は大丈夫」と思っていても、知識がないと気づけないケースが多いので、ぜひ参考にしてみてください。

事例1:ノンネームシートのばらまきで「身バレ」

ある経営者が仲介業者に依頼したところ、業者は手当たり次第に多くの企業へノンネームシート(匿名の企業概要)を送っていました。

匿名とはいえ、業種や地域、売上規模などの情報が詳細に書かれていたため、同業者や取引先に「あの会社が売りに出ているのでは」と気づかれてしまったそうです。

従業員に噂が広がると、不安から退職者が出てしまうリスクもあります。

進め方の確認(ポイント2)を事前にしておくことで、こうしたトラブルは防げます。

事例2:相対交渉で足元を見られた

「良い買い手がいます」と1社だけを紹介され、相対交渉で話が進んだケース。

比較対象がないため、提示された買収価格が妥当なのか判断できず、結果的にかなり低い価格で売却してしまったという事例があります。

複数の買い手に競ってもらう入札形式であれば、価格が引き上がる可能性が高まります。進め方を確認し、できれば入札形式を採用してくれる業者を選ぶのがポイントです。

事例3:契約終了後にテール条項で請求された

仲介業者との契約期間中にはM&Aが成立せず、契約を終了。

その後、自力で見つけた相手と話をまとめたところ、元の仲介業者からテール条項に基づいて数百万円の手数料を請求されたという事例もあります。

契約書にサインする前に、テール条項の期間と対象範囲を確認しておけば避けられるトラブルです。

事例4:長期の専任契約で身動きが取れなくなった

最初に相談した1社とすぐに専任契約を結んでしまい、その後業者の対応に不満を感じても他社に依頼できなかったというケースも珍しくありません。

専任期間が1年以上に設定されていたため、実質的に「塩漬け」状態になってしまったそうです。

複数社を比較する(ポイント1)ことと、専任期間を確認する(ポイント5)ことの両方が大切だとわかる事例ですね。

おわりに

M&Aは、経営者にとって人生で最も大きな決断のひとつです。

だからこそ、信頼できるパートナーを選ぶことが何より重要になります。

今回ご紹介した6つのポイントをおさらいしましょう。

  1. 2〜3社を比較して選ぶ: 1社に決め打ちせず、複数の提案を見比べる
  2. 進め方を具体的に確認する: 入札か相対か、情報の扱い方をチェック
  3. 事業の中身まで見ているか: 数字だけでなくビジネスの本質に関心がある担当者か
  4. 手数料は3つのシナリオで比較: 成功時・破談時・相手未発見時の費用を確認
  5. 専任期間に注意する: 長すぎる専任契約は身動きが取れなくなるリスク
  6. テール条項を確認する: 契約終了後の手数料請求に備える

M&A業界は、売り手にとって情報の非対称性が大きい世界です。しかし、正しい知識を持っていれば、対等な立場で業者と向き合うことができます。

焦って決める必要はありません。まずは複数の業者に話を聞いてみるところから始めてみてください。

この記事が、あなたのM&Aを成功に導く一助になれば幸いです 🙏

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税務に関する実務の勉強記録を残しています。法人税・所得税・消費税・相続税を中心に、業種別のビジネスについても学んでいます。 ※このサイトに記載している内容は、一般的な情報提供であり、個別具体的な事例に関する相談は専門家へご相談ください。
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