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M&A・事業承継

「会社を売る」ってどうすればいい?M&Aを5ステップで優しく解説

佐藤

こんにちは!

「会社を売却するって、具体的にどう進むんだろう?」 最近、中小企業の経営者からこんな声をよく聞くようになりました。

  • 後継者が見つからない
  • 体力的にそろそろ限界
  • でも、従業員のことを考えると簡単にはたたむ決断もできない

そんな状況でM&Aという選択肢に目を向ける方が増えています。

ただ、いざ調べてみると

  • デューデリジェンス
  • ノンネームシート
  • 基本合意書

と、聞き慣れない言葉のオンパレードで、余計に不安になるんですよね。

ですが、大丈夫です。

M&Aには決まった流れがあります。全体像さえつかめば、焦る必要はありません 🙌

この記事でわかること

  • M&Aが成約するまでの全体の流れ(5ステップ)
  • 各ステップで売り手が「自分で考えるべきこと」
  • 聞き慣れない専門用語のやさしい意味
  • 最初に何から手をつければいいかの具体的なアクション

順番さえ守れば、初めてのM&Aでも落ち着いて進められます。

一緒に見ていきましょう!

なぜ「流れがわからない」と不安になるのか

M&Aを検討し始めた経営者が最初にぶつかる壁は、「全体像が見えない」ことだと言われています。

たとえば、こんな悩みをお持ちではないでしょうか。

  • 「仲介業者に相談したけど、専門用語ばかりで話がよくわからなかった」
  • 「どこまで自分で決めて、どこから業者に任せればいいのかわからない」
  • 「気がついたら業者のペースで話が進んでいて不安になった」
  • 「そもそもどれくらいの期間がかかるのか見当もつかない」

こういった声は、めちゃくちゃ多いです。

実はこれ、M&Aの全体像を最初に把握していないことが原因と言われています。

ゴールまでの地図がないまま歩き出すようなものなので、不安になるのは当然のことなんですよね。

逆に言えば、全体の流れをざっくりでも頭に入れておくだけで、見え方がガラッと変わります。

「今はここにいるんだな」「次はこういうステップだな」と確認できるだけで、冷静に判断できるようになるものです。

そしてもうひとつ大事なことがあります、それは「業者任せにしない」ということ。

M&A仲介業者はあくまでサポート役であり、最終的な意思決定をするのは経営者自身です。

流れを知っておくことは、主体的に動くための土台になります 💡

知っておくべき基礎用語

M&Aの流れを理解する前に、よく出てくる専門用語をざっくり押さえておきましょう。

ここでは特に重要な5つを、かみ砕いて紹介します。

IM(インフォメーションメモランダム)

自社の魅力や事業内容をまとめた「会社の紹介パンフレット」のようなものです。

買い手候補がこれを読んで「この会社、詳しく話を聞いてみたい」と思うかどうかを判断します。いわば、M&Aにおける自社の「履歴書」にあたる資料ですね。

ノンネームシート

会社名を伏せた状態で、事業概要や規模だけをざっくりまとめた概要書です。

最初の段階で買い手候補に見せる「匿名のチラシ」だと思ってください。これで興味を持った相手にだけ、詳しい情報を開示していきます。

デューデリジェンス(DD)

買い手側が行う本格的な「買収監査」のことです。

たとえるなら、中古住宅を買う前にプロの検査員が隅々まで調べる「住宅診断」のイメージですね。

財務や法務など、会社のあらゆる面を専門家がチェックします。

基本合意書

買い手候補を1社に絞った段階で結ぶ「仮の約束」です。

最終契約ではないので法的拘束力が限定的な部分もありますが、ここからは本格的な交渉フェーズに入るという合図になります。

クロージング

M&Aの最終決済のことです。

株式や事業の引き渡しと代金の支払いが行われ、正式に「案件成立」となる瞬間を指します。

不動産でいう「引き渡し日」と同じようなイメージです 📝

M&Aの流れ 5つのステップを徹底解説

ここからが本題です。M&Aは大きく5つのステップで進みます。

全体の期間は半年から1年程度が目安と言われていますが、案件によってはそれ以上かかることもあります。

ひとつずつ見ていきましょう

事前の準備

M&Aで最も重要なのは、実はこの「準備段階」だと言われています。ここを丁寧にやるかどうかで、後の交渉がまったく変わってきます。

目的の整理(成功定義)
まず取り組むのは「なぜM&Aをするのか」という目的の明確化です。

「とにかく高く売りたい」だけではなく、「従業員の雇用を守りたい」「自社のブランドを残したい」「引退後の生活資金を確保したい」など、自分が本当に大事にしたいことを言語化します。

この「成功の定義」が曖昧なまま進めてしまうと、交渉のたびに判断軸がブレてしまい、結果的に後悔するケースが少なくないと言われています。

企業分析
次に、自社の強みと弱みを客観的に洗い出します。

「うちの技術力は業界でも評価が高い」「一方で特定の取引先への依存度が高い」など、買い手の目線で自社を見つめ直す作業です。

買い手ターゲットの策定
「どんな会社に買ってもらえると、お互いにメリットがあるか」を考えます。

自社の経営資源を最も活かせる相手はどんな企業かを、業種・規模・地域などの切り口で絞り込んでいくイメージですね。

スキームの検討
株式譲渡にするか、事業譲渡にするかといった「売り方」の検討です。
どのスキーム(方法)を選ぶかによって、税金や手残りの金額が大きく変わります。

IM(会社説明資料)の作成と仲介業者の選定
自社の魅力を買い手に伝えるためのIMを作成します。

ここで大切なのは、仲介業者に丸投げしないこと。

自社の強みを一番理解しているのは経営者自身です。

業者と一緒に、しっかり中身を作り込みましょう。 同時に、仲介業者の選定も行います。

必ず2〜3社を比較し、手数料体系や進め方を確認することが重要です 🔍

売り込み

準備が整ったら、いよいよ買い手候補へのアプローチが始まります。

ショートリストの作成
まずは「この会社に打診してみよう」という候補企業のリスト(ショートリスト)を作ります。

仲介業者が提案してくれますが、経営者自身も「この業界のあの会社なら相性が良さそう」といった視点で意見を出すことが大切です。

ノンネームでの打診
最初は会社名を伏せたノンネームシートで打診します。

「関東圏で年商○億円規模の製造業」といった匿名情報だけを見せて、興味を持つかどうかを探る段階ですね。

秘密保持契約とIMの開示
興味を示した相手には、まず秘密保持契約(NDA)を結びます。「この情報は絶対に外に漏らしません」という約束をしてもらった上で、詳細なIMを開示します。

トップ面談の実施
IMを見て「ぜひ話を聞きたい」という相手と、経営者同士の面談を行います。

ここは単なる顔合わせではなく、お互いの経営哲学や事業への想いを確認し合うバッチリ重要な場面です。

面談では、自社の成り立ちや大事にしてきた価値観を率直に伝えることが大切だと言われています。買い手も「この会社を任せても大丈夫か」を真剣に見ています 🤝

候補の絞り込み

複数の買い手候補から、最終的に1社に絞るステップです。

意向表明書の取得
面談を経て前向きな買い手からは、「意向表明書」が提出されます。

これは「御社をこういう条件で買いたい」という正式な意思表示の書面です。買収価格や従業員の処遇など、具体的な条件が記載されています。

比較検討と1社への絞り込み
複数の意向表明書が届いた場合は、それぞれの条件を比較します。

価格だけでなく、

  • 従業員の雇用方針
  • 事業の継続方針
  • M&A後の経営体制

なども重要な判断材料です。 ここで役立つのが、ステップ1で作った「成功の定義」です。自分が何を最も大切にしたいかが明確であれば、迷いにくくなります。

ちなみに、この条件次第で税務上の取り扱いも変わってきますので、税理士にも相談いただくのが望ましいです。

基本合意書の締結
意中の1社に絞ったら、基本合意書を結びます。

「お互いに前向きに進めましょう」という確認の意味合いが強い書面ですが、ここからは原則として1対1の交渉に入ります。

条件交渉

基本合意の後は、いよいよ最終条件を詰めていく段階です。ここが精神的にも最もハードな時期だと言われています。

デューデリジェンス(DD)への対応
買い手側が弁護士や会計士などの専門家チームを送り込み、自社のあらゆる側面を調査します。

財務、法務、労務、事業など、多角的にチェックされます。 この期間は社長へのヒアリングが頻繁に行われるため、スケジュールに余裕を持たせておくことが大切です。

また、ネガティブな情報も正直に開示することが、結果的に信頼関係を築く進道だと言われています。

隠し事が後から発覚すると、破談や大幅な減額につながるリスクがあります。

もうひとつ気をつけたいのが、従業員への秘密保持です。

DDの期間中は外部の専門家が出入りすることになるので、社員に気づかれないよう配慮が必要になります。

最終条件交渉
DDの結果を踏まえて、最終的な買収価格や条件を交渉します。

DDで新たな問題点が見つかった場合は、価格の調整が入ることもあります。 ここでも「業者任せ」は禁物です。

自分の成功定義と照らし合わせながら、「譲れる部分」と「譲れない部分」を明確にして交渉に臨みましょう。

最終契約の締結
すべての条件がまとまったら、最終契約書(株式譲渡契約書など)を締結します。

ここで法的な拘束力を持つ正式な契約が成立します ✍️

案件成立と引継ぎ

最終契約が結ばれたら、いよいよM&Aの仕上げに入ります。

従業員・取引先への公表
最終契約の締結後、従業員や取引先に対してM&Aの事実を公表します。
これは経営者にとって最も気が重い瞬間かもしれません。

公表は階級に応じて段階的に行うのが一般的です。まず役員クラスに伝え、次に部長クラス、そして全体公表という流れですね。

従業員が最も気にするのは「自分の待遇がどうなるか」ですから、事前にしっかり回答を準備しておくことが大切だと言われています。

クロージング(決済)
株式や事業の引き渡しと代金の支払いが行われ、この瞬間をもって正式にM&Aが成立します。

業務の引き継ぎ
多くの場合、元経営者は一定期間(数カ月〜数年)にわたって業務の引き継ぎに協力します。

取引先との関係や、言語化しにくいノウハウを新しい経営体制にスムーズに移行するためです。

引き継ぎの質がM&A後の事業成功を大きく左右するため、ここも手を抜かずに取り組みたいところですね

実践への落とし込み:まず何から始めるか

5つのステップを見て「やることが多すぎる」と感じた方もいるかもしれません。 安心してください。

全部を一気にやる必要はありません。

まずはこの3つから始めてみてはいかがでしょうか。

  1. 「なぜ売りたいのか」を紙に書き出す
    自分の言葉で、M&Aを検討する理由を書いてみましょう。
    「後継者がいない」「体力的に限界」「従業員に安定した環境を残したい」など、思いつくままでOKです。これがステップ1の「成功定義」の出発点になります。
  2. 自社の強みと弱みを3つずつリストアップする
    「うちの会社の良いところって何だろう?」を改めて考えてみてください。
    技術力、顧客基盤、立地、人材など、買い手が魅力に感じそうなポイントを探します。
    弱みも正直に書き出しておくと、後の交渉で焦らなくて済みます。
  3. 仲介業者の情報を集めて比較してみる
    まだ契約しなくても大丈夫です。
    まずはホームページを見たり、無料相談に行ったりして、2〜3社の雰囲気や手数料を比較してみましょう。
    公的な相談窓口として「事業承継・引継ぎ支援センター」を利用するのもおすすめです。

全部やらなくていいんです。ざっくり情報を集めるだけでも、見える景色が変わってきますよ。

おわりに

M&Aは「準備→売り込み→絞り込み→条件交渉→成立と引継ぎ」の5ステップで進みます。

一見すると複雑に見えますが、全体の流れを知っているだけで、次に何が起きるかを予測できるようになります。それだけで不安はかなり和らぐものです。

そしてどのステップにおいても忘れてはいけないのが、「業者任せにしない」ということ。

仲介業者はあくまでサポート役です。自分の会社のことを一番知っているのは、経営者であるあなた自身です。

「最終的な判断は、すべて自分で下す。」その覚悟を持つだけで、M&Aの結果は大きく変わると言われています。

焦る必要はありません。まずはこの記事で全体像をつかんだ今日が、最初の一歩です。

気になることがあれば、事業承継・引継ぎ支援センターなどの公的機関に相談してみるところから始めてみてくださいね 🙏

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税務に関する実務の勉強記録を残しています。法人税・所得税・消費税・相続税を中心に、業種別のビジネスについても学んでいます。 ※このサイトに記載している内容は、一般的な情報提供であり、個別具体的な事例に関する相談は専門家へご相談ください。
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