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小売業

「動く小売」の時代へ。移動スーパーとネットスーパーが描く、地域密着の未来図

佐藤

この記事でわかること

  • スーパーマーケットの店舗外販売の実施状況
  • 移動スーパーが注目されている理由
  • ネットスーパーとの違いと今後の方向性

「お店に来てもらう」だけが小売業の形ではなくなりつつあります。

店舗外販売の選択肢が広がる中で、特に移動スーパーへの関心が高まっていると言われています。

ポイント

従来の小売業は、商品を仕入れて店で待つという「待ち」のビジネスモデルが基本でした。

良い立地や広い駐車場といった条件に左右されやすく、ネット通販や競合店との差別化もなかなか難しいのが現実です。

しかし、「自ら顧客のもとへ赴く」スタイルへと転換すると、状況は大きく変わります。

お客さまと対話を通じて、その場に応じた柔軟な対応を行う。
そうすることで、お客さまの細かなニーズや好みの変化を、リアルタイムに汲み取ることができるようになるからです。

「店舗」という枠組みを超え、一人ひとりの状況に合わせた「対応の変化」そのものを付加価値として提供していく。

このアプローチこそが、これまでの小売業の常識を覆す、新たな差別化戦略として注目されています。

この記事では、移動スーパーとネットスーパーの現状と今後の展望を整理します。

この記事の全体像

まず、店舗外販売の3つの形態と実施率を確認します。

次に、移動スーパーが注目される背景と、ネットスーパーの課題を見ていきましょう。

最後に、地域特性に合わせた使い分けのポイントをまとめます。 気になるセクションから読んでいただいても大丈夫です。

店舗外販売の全体像

3つの主な販売チャネル

スーパーマーケットの店舗外販売には、大きく3つの形態があります。

  • 店舗販売分の配送サービス:店頭で購入した商品を自宅に届ける仕組み
  • 移動スーパー:トラックなどに商品を載せて地域を回る販売方式
  • ネットスーパー:インターネットで注文し、自宅に届けてもらうサービス

水にたとえるなら、配送サービスは「蛇口から出た水を届ける」形。

移動スーパーは「井戸ごと持っていく」、ネットスーパーは「パイプラインで届ける」イメージです 🚚

実施率を見てみると

実施率を見ると、「店舗販売分の配送サービス」が42.4%で最も高くなっています。

次いで「移動スーパー」が32.0%、「ネットスーパー」が20.9%です。

配送サービスが一番多いのは、既存のオペレーションの延長で導入しやすいからでしょう。

一方で、移動スーパーもすでに3割を超えている点は見逃せません。

移動スーパーが注目される理由

買い物困難者への対応

移動スーパーが注目される最大の理由は、買い物に困っている地域住民への支援です。

高齢化や過疎化が進む地域では、近くにスーパーがないという問題が深刻化しています。

「お店に行きたくても行けない」という方々のもとへ、商品を積んだ車が出向いていく。 まさに「お店が歩み寄る」形の販売方式ですね。

導入・拡大の意向が強い

今後の実施意向を見ると、移動スーパーについては15.8%の企業が「導入・拡大」を予定しています。

これは店舗外販売の3形態の中でも、最も前向きな数字です。

自治体との連携や、地域の見守り活動と組み合わせるケースも増えているようです。

単なる販売手段にとどまらず、地域インフラとしての役割が期待されています 🏘️

導入のハードルは比較的低い

ネットスーパーと比べると、移動スーパーは初期投資やシステム構築の負担が小さいと言われています。

専用のトラック1台と、ドライバー兼販売スタッフがいれば始められるのが大きなメリットです。

ざっくり言えば「小さく始めて、反応を見ながら広げられる」のが移動スーパーの強みですね。

ネットスーパーの現状と課題

伸び悩みの声がある

ネットスーパーの実施率は20.9%ですが、今後の意向を見ると楽観的とは言えません。

「縮小・撤退」や「決まっていない」と回答する企業が多い状況です。

その背景には、配送コストの高さやピッキング(商品を倉庫から集める作業)の手間があります。 採算性の確保が難しいという構造的な課題を抱えているわけです。

収益化までの道のりが長い

ネットスーパーは利便性が高い一方で、1件あたりの配送コストが利益を圧迫しやすい構造です。

「売れば売るほどコストがかかる」というジレンマを感じている企業も少なくないようです。

ある程度の注文密度(特定エリアにまとまった注文がある状態)がないと効率が上がりません。 都市部以外では特に運営が難しいと指摘されています。

それでも可能性はある

ただし、ネットスーパーの価値がなくなったわけではありません。 共働き世帯の増加やデジタルに慣れた世代の拡大により、潜在的なニーズは依然として大きいものがあります。

物流DX(デジタル技術を活用した物流改革)やAIによる需要予測の活用など、テクノロジーで採算性を改善する動きも出てきています 💡

具体例:地域に合った選び方

高齢者が多い地域では

高齢化が進む郊外や地方では、移動スーパーの効果が特に高いとされています。

デジタル機器の操作に不慣れな方が多い地域では、対面販売の安心感が強みになります。

自治体の補助金や支援制度を活用して導入するケースもあるようです。

都市部・若年層が多い地域では

一方、人口密度が高く若い世代が多い地域では、ネットスーパーの利便性が活きてきます。 注文が集中するエリアであれば、配送効率も上がりやすくなるでしょう。

オムニチャネルの視点

店舗・移動スーパー・ネットスーパーを組み合わせて、顧客との接点を増やしていく。

このオムニチャネル(複数の販売経路を連携させる戦略)の考え方が注目されています。

「どこでも買える」という利便性を提供できる企業が選ばれる時代になりつつあります 🛒

おわりに

店舗外販売の中で、移動スーパーは「導入・拡大」の意向が最も高く、今後さらに広がっていく可能性があります。

一方でネットスーパーは課題を抱えつつも、テクノロジーの進化とともに改善の余地が残されています。

まずは自社の商圏の特性を把握し、どの販売チャネルが最も顧客のニーズに合っているか考えてみてください。

大きな投資をしなくても、移動スーパーのように小さく始められる選択肢もあります。

「お店に来てもらう」から「お客さまのそばに行く」へ。

この発想の転換が、これからの小売業の新しい成長の鍵になるかもしれません 🙌

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さとう
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税務に関する実務の勉強記録を残しています。法人税・所得税・消費税・相続税を中心に、業種別のビジネスについても学んでいます。 ※このサイトに記載している内容は、一般的な情報提供であり、個別具体的な事例に関する相談は専門家へご相談ください。
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