本サイトは、税制等に関する一般的な情報提供を目的としたもので、特定の事案に対する助言・アドバイスではありません。掲載情報の利用により生じたいかなる損害についても責任を負いかねます。必ず税理士等の専門家や所轄の税務署にご相談ください。

資金繰り

黒字倒産を防ぐ!利益と資金のズレが生じる仕組み

佐藤

こんにちは!

「売上は順調に伸びているのに、なぜか手元にお金が残らない…」

こういった悩みを抱える経営者は、実はかなり多いと言われています。

会計上は黒字なのに資金が足りなくなる。 これは珍しい話ではなく、中小企業で起こりやすい現象なんですよね。

結論

まず結論からお伝えすると、需要が増えて順当に売上が伸びているのであれば、全く問題ありません!

事業が拡大するタイミングで、一時的に資金が必要になるのは当然のこと。そこを銀行融資などでしっかりつないでいくのは、むしろ事業を成長させるための「前向きで健全な戦略」と言えます。

Q
(補足)「売上が伸びている=資金繰りが安泰」ではない

ここからが少し怖いお話なのですが、「売上が伸びている=資金繰りが安泰」かというと、実はそうとも言い切れないんです。

たとえ売上高が右肩上がりでも、その裏側に「複雑な事情」が隠れていると、気づかないうちに資金ショート(お金が底をつくこと)のリスクが忍び寄ってくることがあります。

例えば、建設業などのケースを想像してみてください。

「工事進行基準」といって、工事の進み具合に合わせて売上を計上しますが、実際にお金が振り込まれるのは「完成したずっと後」ということが実務ではよくあります。

入金を待っている間も、材料費や外注費の支払いは待ってくれません。「売上はあるのにお金がない」という状態で、手元のキャッシュが枯渇してしまうわけです。

もっと言ってしまうと、その工事自体が実は「採算の悪い仕事」だったという可能性もあります。

一生懸命働いて、やっと完成したタイミングで「結局、大赤字の案件だった……」と判明することも。

そうなると、せっかくの売上も、結果的にはただ会社から現金を流出させていただけ、なんて悲しい結末になりかねません。

この記事では、利益と資金がズレる仕組みをわかりやすく解説していきます。

この記事でわかること

  • なぜ「利益=手元のお金」にならないのか
  • 発生主義と現金主義の違い
  • 売掛金の回収遅れや在庫が資金を圧迫する仕組み
  • 資金の動きを管理するための具体的な方法

この記事の全体像

まず、黒字倒産がなぜ起きるのかという基本的な構造を確認します。 次に、利益と現金がズレる原因である「発生主義」の仕組みを見ていきましょう。

そのあと、ズレを生む3つの具体的な原因を解説します。 最後に、ズレに気づくための管理方法をお伝えしますね。

なぜ黒字なのに倒産するのか

まず大前提として押さえてほしいのが、会計上の「利益」と実際の「現金」は一致しないということです。

たとえるなら、利益は「テストの点数」で、現金は「お小遣いの残高」。 テストで100点を取っても、お小遣いが増えるとは限りませんよね。

会社も同じで、帳簿上は黒字でもお金が足りなくなることがあるんです 📝

支払いは「現金」でしかできない

仕入れ代金、家賃、人件費、借入金の返済。 これらはすべて「現金」で支払う必要があります。

損益計算書の利益がいくらプラスでも、支払期日に現金がなければ支払えません。 そうなると、手形の不渡りや支払い遅延が発生してしまいます。

最悪の場合、黒字であっても倒産に至るケースがあるわけですね。

ズレの正体は「発生主義」にある

損益計算書は「発生主義」というルールで作成されています。

発生主義とは、お金の動きに関係なく、取引が発生した時点で売上や費用を計上する考え方です。 ざっくり言えば「売った時点で売上にカウントする」ルールですね。

たとえば、商品を納品した時点で売上を計上します。 でも、実際にお金が振り込まれるのは翌月末だったりしますよね。

この「計上のタイミング」と「入金のタイミング」のズレが、利益と現金の差を生む最大の原因です。

現金主義との違いを理解する

一方で、実際のお金の動きに合わせて記録する方法を「現金主義」と呼びます。

発生主義では取引が発生した時点で記録しますが、現金主義ではお金が動いた時点で記録します。

損益計算書は発生主義で作るのがルールです。 しかし、資金繰りの管理は現金主義で行う必要があると言われています。

両方の視点を持つことが、黒字倒産を防ぐカギなんですよね 💡

ズレを生む原因❶:売掛金の回収遅れ

売掛金とは、商品やサービスを提供したけれど、まだ受け取っていない代金のことです。 いわば「ツケ」のようなものですね。

売上が伸びれば、それに比例して売掛金も増えていきます。 回収が遅れたり、取引先の支払いサイトが長いと、帳簿上は利益が出ていても現金が不足する状態になるんです。

特に売上が急成長しているときほど、売掛金が膨らみやすいので注意が必要でしょう。

ズレを生む原因❷:過剰在庫

在庫は、仕入れた時点でお金を支払いますが、売れるまでは費用として計上されません。

つまり、在庫が増えるほど「お金は出ていくのに利益に反映されない」という状態が生まれます。

たとえるなら、冷蔵庫にたくさん食材を詰め込んだのに料理を作らないまま放置している状態です。 財布だけが空になっていくイメージですね。

在庫の回転が遅くなっていないか、定期的にチェックすることが大切です。

ズレを生む原因❸:設備投資と減価償却

設備投資(機械、車、内装工事など)は、購入した年に全額が費用にはなりません。 「減価償却(げんかしょうきゃく)」という仕組みで、数年に分けて費用計上されます。

しかし、お金は購入時に一括で支払うケースがほとんどです。

たとえば、500万円の設備を購入して5年で償却する場合を考えてみましょう。 損益計算書には毎年100万円ずつ費用が載ります。 でも実際には、初年度に500万円がまるごと出ていっているわけです。

このズレも、資金繰りを圧迫する大きな要因として知られています 📊

ズレに気づくための管理法

利益と現金のズレに気づくために最も有効なのが、資金繰り表の作成です。

資金繰り表とは、月ごとの入金と出金を一覧にした表のこと。 「来月末にいくら残るか」を事前に把握できるようになります。

最初は以下の項目をざっくり記録するだけでも十分でしょう。

  • 今月の入金予定(売掛金の回収、現金売上など)
  • 今月の出金予定(仕入、人件費、家賃、返済など)
  • 月末の現金残高

「入」と「出」のタイミングを調整する

利益が出ているのに資金が苦しい場合、多くのケースで「出金が先、入金が後」になっています。

この入金と出金のタイミングのギャップを縮める工夫が大切です。

請求書の発行を早めたり、回収サイトの短縮を取引先に交渉したりする方法があります。 仕入れの支払いサイトを延ばせないか確認してみるのもひとつの手ですね。

地味に見えるかもしれませんが、こうした調整が資金繰りを大きく改善するケースは多いと言われていますよ。

おわりに

「黒字なのにお金がない」の正体は、会計のルール(発生主義)と実際のお金の動き(現金主義)のズレにあります。

まずは以下の3つを意識してみてください。

  • 損益計算書の「利益」と通帳の「残高」を毎月比べてみる
  • 売掛金の残高が増えすぎていないか確認する
  • ざっくりでいいので資金繰り表を作ってみる

利益の管理と資金の管理は、車の両輪のようなものです。 片方だけ見ていると、気づかないうちにバランスを崩してしまうかもしれません。

焦る必要はありません。 まずは「利益と現金は別モノ」という意識を持つだけで、見える景色が変わってきますよ 🙌

ABOUT ME
さとう
さとう
運営者
税務に関する実務の勉強記録を残しています。法人税・所得税・消費税・相続税を中心に、業種別のビジネスについても学んでいます。 ※このサイトに記載している内容は、一般的な情報提供であり、個別具体的な事例に関する相談は専門家へご相談ください。
記事URLをコピーしました